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パンチョッパリ,東亞日報を讀む

Posted October. 10, 2000 15:08,   

はじめに

この度、東亜日報日本語版の評価委員を任された土田真樹でございます。 今年で在ソウル12年目を数え、人生の1/3近くを韓国で暮して参りました。タイトルのパンチョッパリという言葉を見て不快に思われた方もいるかもしれません。ですが、私はパンチョッパリという言葉を敢えて使わせていただきます。パンチョッパリというのは半分日本人である韓国人を指す悪口です。チョッパリというのは獣の蹄をさす単語であり、日本人が下駄を履いた姿が二股爪の獣に似ていることが語源と言われています。従いまして、韓国に長年住んでいる私は半分韓国人化しており、日韓両方の視線で新聞記事を読むという意味も含んでいます。韓国語だけでなく、東亜日報の記事から韓国人の思っていることをより的確に伝えるお手伝いができればと思っています。私は現在、月刊ソウルスコープの記者として日本語、韓国語で文章を書く仕事に着いています。文才というには縁ほど遠く文章力のなさを自分自身痛感しているのですが、文章に関わる仕事の関係のため。日本語、および韓国語の文章表現には普通の人より気を使う機会がが多いほうに属するといえます。これが韓国語的表現であれば、「神経を使う」という表現になるでしょう。日本語、韓国語とも、同じ漢字圏であるがゆえに漢字をよく使うのですが、その内容は時として大きく異なることがあります。「ピョンジ」という韓国語を漢字で書けば「便紙」。日本人が見るとトイレットペーパーかと思うかもしれませんが、これは手紙のことです。また、「婚約」は「約婚(ヤッコン)」といったように、漢字の前後が入れ替わっています。些細なことかもしれませんが、このような表現が新聞というメディアの性格上、多くの方の目に触れることになります。日本語圏の読者の皆様方が読まれたとき、おかしいのではと思われたこと、こんな記事があればと思われることを微力でありますが、一緒に考えていきたいと思っております。

日本語表記について

 現在のdonga.com日本語版の最も大きな改善点を挙げるとすれば、不自然な日本語表現であるといえるでしょう。インターネットにアップされる朝日新聞などの記事と比べると明らかに表現が違う記事がいくつか見うけられます。例えば、donga.com日本語版の本文中「なさけない・・・」という見出しを使用した記事もありましたが、これは明らかに「ハンシムハダを直訳したものでしょう。また、語尾に「〜している」という表現もしばしば目にします。これは明らかに「ハゴイッタ」の直訳です。新聞記事というのは、必ずしもなめらかである必要はないと思います。韓国も同じでしょうが、文章にリズムを持たせるとより読みやすい文章になると思います。 私たち日本人がすでに使わなくなった言葉を(その多くが漢字熟語であるが)韓国では現在も使っています。新聞記事を読んだ普通の日本人が瞬間的に意味を把握できるか思うような表現もいくつかあります。例えば、ソウル大学師範大学という表現も今の日本人ですぐにピンとくるは少ないでしょう。師範大学というのは、現在の日本でいうところの教育学部に該当するでしょう。戦前に教育を受けたひとなら小学教師を養成した士官学校を思い浮かべるかもしれません。もっとも、師範大学というのは固有名詞であるから表記法を変えることはありません。括弧をつけて説明する、あるいは「注」をふるどすれば、より多くの読者が意味を把握のに役立つのではないでしょうか。そして、日本語を母国語にしない人間がもっとも苦手とするのが片仮名表記法でしょう。日本にはブラザー工業という会社がありますが、韓国語の記事を日本語に再翻訳したものはブラジャーになっています。これは韓国語の表記が女性の下着を表す単語と同じ表記法を使っているための間違いと思われるのですが、固有名詞のこのような表記は致命的なミスになりかねないともいえません。もっとも、このようなミスは日本の新聞でも時々あります。韓国人の名前も、日本語ではまった違う発音になったりします。

記事(コンテンツ)の内容

 記事の内容についてですが、韓国語版を元にしているため、韓国語版と比べても遜色はないと思います。残念なのは、記事の量が韓国語版に比べて少ないことでしょうか。翻訳なさる方の仕事量にも左右されるので、コンテンツの増量は今後の課題でしょう。記事の中にはもっと詳しく扱ってくれればと思う記事もあります。9が28日付の記事の中で、タレントの洪錫千氏が同性愛者であるとカミングアウトした記事が紹介されていましたが、なぜカミングアウトしたのか言及されていませんでした。儒教の国、韓国で同性愛者というのは否定的な視線で見られがちです。できればカミングアウトに至った経緯を紹介していただければ、読者の興味を満足させられたのではないでしょうか。donga.comの記事全般に言えることですが、北朝鮮は北韓国ではなく、日本と同じ北朝鮮と表記されているのは面白いと思いました。韓国では北朝鮮のことを北韓(プッカン)といいますが、数年前まで日本向けの印刷メディアは全て北韓国であっただけに、このような試みは日本人として非常に身近に感じます。もっとも日本海に関しては、東海と表記されたままです。竹島(韓国では独島)の領有問題を含め、政治的な意味合いを持つことから、竹島に限っては今後も変わることがないと思います。コンテンツの面でもっと活かしてほしいのはリンクについてです。インターネットという特色から、他のサイトとリンクをはれるのではないでしょうか。例えば、映画祭や演劇祭など多くの行事が開催されていますが、記事で詳細を伝えきれなくても、リンクすることにより、記事に関心のある読者はより詳しい情報に接することができます。

デザイン

 画面全体の構成については、ネットの専門化ではないためとやかく言える立場ではありませが、可もなく不可もなく、他の新聞サイトと比べても無難な紙面作りであると思っています。ここではコンテンツの構成についての簡単な感想について述べます。コンテンツの部分と重なるかもしれませんが、日本人が興味を持つ、もちそうな記事を特集、もしくはシリーズで連載するのはいかかでしょうか。日本文化開放により、韓国では日本文化に関する関心が若年層を中心に高まっています。日本文化を韓国でどう捉えているかを詳細に紹介できるのは韓国の現地メディアの強みです。また、donga.comにアクセスする読者の場合、韓国に関心がある読者がほとんどであることから、社会、経済面ももちろん、文化面の充実発展を望む声も多いのではないでしょうか。「シュリ」のヒット以降、日本では韓国映画にたいする関心が高まっています。シン・ウンギョンやアン・ソンギがといった韓国の人気俳優が日本映画界へ進出するなど両国は確実に文化的接近を遂げようとしています。読者のひとりとして贅沢な希望ではありますがが、ENJOYの記事の一部を翻訳掲載するだけでも、韓国語版との差別化が可能であるのではないかと思います。