医療界が再び総ストライキを強行した。6月以後、これで3回目だ。大病院の救急室と重患者室、分娩室の診療は続けるという事だが、今回は今までストライキに参加しなかった中小の病院も加わり、ストライキが長引けば長引くほど患者の便宜はもちろん無視され、苦痛は極度に達することだろう。
医療界のストライキに対し、薬剤師会は患者が求めた場合、医師の処方せんなしに薬局で薬を直接調剤することにした。この場合、医薬分業は施行されてから2ヶ月で事実上白紙の状態になったわけで、このような混乱の中で被害を受けるのは患者だけである。こうした状況の下、国民の間には医薬分業自体に対する懐疑と恨みの声が日に日に高まってきている。
薬事法の再改定は難しいと言っていた政府は、医療界が総ストライキに突入する一日前になってやっと、薬事法をもう一度改定すると言い、このために医−薬−政の協議会を構成しようと提議した。しかし、医療界側は政府が医薬界に責任を押し付けようとしているとし、この提議さえ拒否した。薬剤師側の反発を考慮せざるを得ない政府の立場を考えたとしても、いつまで政府がこのような計画性のない交渉を続けなければならないのかと情けない気持でいっぱいだ。果たしてこの政府に医薬分業事態を解決する能力があるのか疑わざるを得ない。
交渉は続けるが、予定している総ストライキは強行するという医療界の態度もまた、非難されて当然であろう。政府は、この間の準備が充分でなかったとして、医薬分業問題で医療界に公式に謝罪し、薬事法再改定を約束する等、医療界の要求に相当部分屈服してきた。それでもなお医療界が国民の命を脅かすストライキを強行するのは交渉をしようという態度ではなく、自分達だけの完全勝利をもくろむ独善だとしか考えられない。
医療界は、常に国民と共にある医療改革と完全医薬分業を主張してきた。しかし国民は、繰り返される医療界の集団ストライキで、医療界が真に国民と共にあるのかについて深刻な懐疑に陥っていることを認識する必要がある。
問題になっている薬剤師の任意調剤はだめだという共感が生まれてきた。代替調剤は薬効同等性実験を経た薬品に限り、消費者の選択に任せることもできる問題だ。脆弱な医療保険財政に対する国庫支援は必要だ。ただ最も重要なことは、このようなすべての問題を解決するためには、その中心に国民がいなければならないという点だ。名分は国民と共にあると言いながらも、実際は国民を闘争の人質に取ったとき、そのどんな主張も説得力を持ち続けることはできないだろう。
繰り返し言うが、医療界は今すぐストライキを解き、解決に向けた交渉に入らなければならない。






