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テレビがオリンピックの色を変える

Posted September. 21, 2000 19:51,   

より美しく、より華やかに、より際立つように。

映像時代に登場したオリンピックのもうひとつのスローガンだ。テレビ中継がオリンピックの商業化を促進し、選手達がより速く、より高く、より力強く競技を行っている姿に負けないくらいテレビ映りが大切な時代になった。

今回のシドニーオリンピックでは各種目ごとに、視聴者の視線を集めるための変化が目立った。青い柔道服はまさにその典型だ。97年のパリ世界柔道大会の時から登場した青い柔道服は、オリンピックでは今回が初めて。柔道の基本精神を象徴する伝統的な白の柔道服を固守しようとする日本の反発が少なくないが、視聴率第一のテレビの威力の前では力を失ったようだ。

最もテレビ的なスポーツの代表格は新体操だ。最新流行のメイクをしたモデルを彷彿させる女子選手達が、音楽に合わせてこん棒やリボン、そしてボールとひとつになって人体の美しさを見せてくれる新体操は、まさに視覚的な種目にふさわしい。シドニーオリンピックでは新体操の選手がより華やかな服装で登場した。今回からはキラキラと光るスパンコールやビーズのような装飾をつけることが許可されたからだ。フェンシングも既存の黒いユニフォームが映像時代に似合わず、暗い雰囲気を与えるという指摘により、今回のオリンピックからは色と国家を象徴する模様を入れても良いという服装規定が導入された。これにより韓国選手は腕と太股に韓国の国旗をアレンジした赤と青の模様が入ったユニフォームを着て試合に参加した。

これだけではない。国際フェンシング連盟は、視覚的な効果を考慮し、透明なマスクの導入を進めている最中だ。当初、国際フェンシング連盟は今回のオリンピックから顔が見えない既存のマスクではなく、テレビカメラが選手達の表情を捉えることができる透明なマスクを導入しようとしたが、安全性に多少問題があるという理由で保留された。

カラーボールの登場もシドニーオリンピックの特長のひとつ。ハンドボール競技では青いボールが使われ、バレーボールの試合では黄色、青、グレーの混ざったボールが使われた。卓球では既にオレンジ色のピンポン玉が使われている。