平壌で50年ぶりに次男のキョンヒ氏(62)に会った姜基周(カン・キジュ・90)氏は最後の夜をほとんど一睡もせずに過ごした。長い間胸の中のしこりだったキョンヒ氏を胸に抱いた4日間は、はかなく過ぎていった。この夜が明ければ、もしかしたら永遠に会うことができない息子。離散家族訪問団の中で最高齢の姜さんは、17日の最後の対面を惜しむように、キョンヒ氏の皺が刻みこまれた顔を撫でてはまた撫でた。少しでも息子の姿と匂いを染み込ませるために。
赤十字社から平壌訪問団に選ばれたという通報を受けてから、万一、健康状態が悪くなって息子に会えないというようなことにならないよう、毎日の食事を怠らず、運動もしてきたという姜氏。15日、初の対面が行われた日。姜氏は、既にお爺さんになってしまったキョンヒ氏を抱きしめて声をあげて泣いた。そしてこれは夢じゃないのかと幾度も呟いた。しかし対面のショックとハードなスケジュールを消化するのが体に無理を来たしたのか、姜氏は息子に会った最初の日から食事ができなくなった。姜氏は10年前に日本に行った時にキョンヒ氏のためにと買っておいた高級腕時計をやっと本人の手につけてあげることが精一杯であった。
姜氏は17日、キョンヒ氏と会った4日間を永遠に忘れることができないだろうと話した。姜氏はこの日一睡もすることができなかったという。眠らないでいれば別れの瞬間を遅らせることができるような気がしたからだろう。






