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「男の涙」見せた国民打者 日本ロッテ入団を正式発表

「男の涙」見せた国民打者 日本ロッテ入団を正式発表

Posted December. 12, 2003 03:25,   

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「国民打者」李承鎏(イ・スンヨプ、27)が日本プロ野球の千葉ロッテ入団の発表が行われた11日午前、ソウル市内のリッツカルトンホテルの記者会見場。

会見の末尾に言葉をつなぐことができず、李承鎏はこみ上げてくものを抑え切れず、涙を見せてしまった。涙が止まらなくなると、席を立って会見場の隅に行った。そして5分余り。再び「男の涙」をこぼしてしまった。この間、会見は中断した。

いかなる状況にも挫けることを知らなかった。しかも自分の感情を人にに見せることのなかった李承鎏。その男が公式席上で見せた涙は、ロッテ行きを決めるまでの、背負わなければならなかった苦悩を重さを推察させるに十分だった。

「9年前に大学進学を希望していた父の意向に反してプロの三星(サムスン)と契約した日、父の手を握って『今に見てください。一生懸命にやって必ずや親孝行しますから』と申し上げたのです。今回も全く一緒です。父に韓国最高の打者としての自尊心を守り抜いて帰ってくることを約束しました」

先月9日に自由契約選手(FA)資格を得た後の1ヵ月間、李承鎏は海外進出か国内残留かで苦悩を続けた。最近、メジャーリーグへの夢を畳んだ後は、日本の千葉ロッテと三星の間でかっ藤した。金銭的にはどちらを選んでも同じことだった。しかし、一方は険しい道のりで、片一方は楽で容易い道だった。

どっちに行くべきか。10日夜、日本の金基柱(キム・キジュ)J’Sエンターテインメント支社長から電話があった。ロッテ側から、すべての要求条件を受け入れるという通報を受けたという内容だった。あとは決定を下すことだけが残っていた。

苦悩を続けた李承鎏は、夜遅く、電話で大邱(テグ)に住んでいる父と相談した。親子の会話は、夜0時を越えてまで続いた。李承鎏は、日本行きを選択する理由を父に一々説明した。

父の李チュングァンさんは「進路を決める論理あ実に明快だったんです。個人的には、三星が、昨年、妻の脳手術があったとき献身的に世話をしてくれたので、報いるべきだとも思ったし、また日本に行って成功した打者がいない上に、いろいろな面で差別を受けることが心配になって止めました。しかし、承鎏の話を聞いて『お前の志をぶつけてみろ』と言って上げました。承鎏も『9年前のように、一生懸命やって成功します』と言ってましたね」

李承鎏は、記者会見場に予定より20分遅れて現れた。日本行きが固まってはいたものの、心は揺れていたからだ。

寝そびれた様子の李承鎏は「いつ、最終的に日本行きを決心したのか」という質問に、「5分前、記者会見場に上がってくるホテルのエレベーターの中でだった」と答えた。

「一日にも20、30回気持ちが変わった」と話した李承鎏は、「今、この瞬間、妻は私が三星に残るものと知っている。すべては自分一人で決めた。自分の人生は自分で決めたかった」と語った。



金相洙 ssoo@donga.com