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北朝鮮の挑発の向こう側にロシアの影

Posted January. 17, 2024 08:23,   

Updated January. 17, 2024 08:23

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昨年9月の北朝鮮とロシアの首脳会談直後、筆者は両国の軍事協力に焦点を当てたコラムを書いた。北朝鮮はロシアに兵器を渡したようだが、ロシアが北朝鮮に軍事技術などを送った具体的な情況は明らかにされていないと主張した。ロシア事情に詳しい当局者も当時、「(ロシアが)敏感な技術まで北朝鮮に簡単に渡すとは思えない」と話した。ロシアのプーチン大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記を招待しただけで、「砲弾を受け取ったお返し」は済んだという話だった。

4ヵ月が過ぎた。今でも当時の評価は有効だろうか。最近再び会ったこの当局者は、「状況ははるかに深刻に見える」と話した。北朝鮮から適度に兵器を抜き、適度に誠意を示す線でまとまりそうだった朝ロ軍事協力が、予想よりはるかに深刻で密度が高くなっているという意味だった。

朝ロ首脳会談後、北朝鮮の挑発時計は緊迫した動きを見せた。昨年11月、北朝鮮は軍事偵察衛星「万里鏡(マンリギョン)1号」を打ち上げた。これまで2回、打ち上げに失敗していたが、今回は軌道に進入させた。12月には新型固体燃料の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星(ファソン)18」を6千キロ以上、高角で発射した。最近では、固体燃料方式の極超音速中長距離弾道ミサイル(IRBM)の発射実験を行い、奇襲攻撃能力も誇示した。

このような自信に満ちた挑発の向こう側にロシアの影が重く控えているという分析がますます力を得ている。ある情報当局者は、「周囲の目を気にせずロシアに兵器を提供できる国は今、北朝鮮以外にあるか」とし、「兵器が切実なプーチン氏が今や北朝鮮の軍事技術要請を無視するのは難しいだろう」と話した。ウクライナのゼレンスキー大統領は最近、ロシアが北朝鮮から100万発以上の弾薬の提供を受けたと明らかにした。米ホワイトハウスは、北朝鮮がロシアに弾道ミサイルまで提供したと指摘した。北朝鮮の全面的な兵器支援が蓄積されれば、軍事技術を提供してほしいという北朝鮮の要求をロシアが振り払うのは難しいというのが、韓国当局の判断だ。

北朝鮮がロシアから軍事技術をどれだけ支援されたかは分からない。ただ、一部の弾道ミサイルや偵察衛星技術はすでに移転された可能性が高いという分析が支配的だ。本当の問題は、次のページだ。ロシアが北朝鮮の最新戦闘機や原子力潜水艦の生産を支援したり、核開発関連の「ゲームチェンジャー」技術まで提供したりすれば、韓国の防衛は致命的な打撃を受けるほかない。

このような懸念の視線を楽しむかのように、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相は最近、ロシアを訪問した。ロシアの軍事技術移転に関するタイムラインが議論された可能性が高い。ロシア大統領府は、近くプーチン氏の訪朝が実現する可能性があるとも述べた。

筆者は先に書いたコラムの最後の部分で、「プーチン氏を放置しておけば、金正恩氏に黄金の鍵を握らせてしまうだろう」と書いた。北朝鮮への兵器支援を軸に結ばれた朝ロの蜜月関係は、当時よりはるかに深く、強くなった。金正恩氏とプーチン氏の手を引き離すことができなければ、ロシアの暴走を止める「ワンポイント」解決策でも模索する必要がある。原子力潜水艦技術のマニュアルが金正恩氏に渡ることは阻止しなければならない。