Go to contents

実力が求められる政権3年目、大統領秘書室長は「人材プール」を拡大せよ

実力が求められる政権3年目、大統領秘書室長は「人材プール」を拡大せよ

Posted January. 08, 2024 08:13,   

Updated January. 08, 2024 08:13

한국어

「国政の『グランドデザイナー』が見えない」

金大中(キム・デジュン)元大統領の秘書室長を務めた朴智元(パク・チウォン)氏が2017年、文在寅(ムン・ジェイン)政権発足直後、閣僚候補に対する「5大人事原則破棄」問題が起きた際、記者にこのように話したことがある。大局的に見て国政と人事を推進する人物が見えないという話だった。当時、第3党(国民の党)代表だった朴氏の「迷惑な」指摘かもしれないが、国政の方向性に対する苦言でもあった。

前政権を「利権・理念の集団カルテル」と批判し、3年目を迎えた尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の人事のグランドデザインは何か。昨年続いた大統領室の改編、内閣改造、政府の主要人事に加え、総選挙用の政策が発表されるのを目にして抱いた疑問だ。

尹大統領は昨年、「人為的な、局面転換のための内閣改造はない」と何度も言った。国政の連続性と一度信じた人は最後まで使うという大統領の「意気込み」が浮き彫りになった。一方、人事需要や国民世論に敏感な「反応性」、信賞必罰による「責任性」は軌道が変わった。大統領が閣議で内閣改造説を一蹴すると、慌てた一部は記事から名前を消してほしいと要求し、しばらくしてから退いた。セマングムジャンボリー破綻の責任の中心である女性家族部長官はその座を守った。保健福祉部長官、国務調整室長、主要外庁長の各所に企画財政部出身が多数進出した。「似た人が似た人を選ぶ」「今までこんなことがあったのか」という声が上がった。

抑圧されていた人事需要は年末になると爆発した。焦る行政官らが抜け出し、総選挙局面が近づくにつれ、首席秘書官、長官・次官が引き潮のように抜け出した。企画財政部出身の方文圭(パン・ムンジュ)前産業通商資源部長官は、国務調整室長から長官に任命された後、3ヵ月で総選挙用に再び抜擢された。大統領秘書官出身の「尹大統領腹心」の次官たちが5ヵ月で職を投げ出した。国政の連続性よりも「総選挙にかけるための人事」という印象を与えた。

頂点は、金大棋(キム・デギ)大統領秘書室長の交代だった。交代説が流れていた金氏は、李官燮(イ・グァンソプ)大統領政策室長の人事を直接発表した28日後に自身の辞任を表明し、退任した。与党の内外で、「政策室長の新設が大統領室改編の終わりではない」と予告したことがあるが、金氏の辞任に対する明確な説明は聞こえてこない。

政権3年目、民生の実力で勝負する時だ。尹大統領が強調した「検討だけの政府」ではなく、「問題解決のために行動する政府」の第一歩は人材プールの多様化だと考える。人一人に組織が左右されるかと言われるが、「人が未来であり、競争力である」という新年の挨拶での言葉は、依然として有効だ。検察と企画財政部官僚一色の人事では、国民を感動させることはできず、民心を十分に盛り上げることも難しいだろう。

新たに任命された秘書室長が、人事秘書官など新たに構成される人事ラインと人事推薦、検証過程を一度見渡してみるのはどうだろうか。大統領が直接する人選に助言することができ、大統領が直接はできない人選の舵を取るのが秘書室長だ。尹大統領は「理念の集団カルテル」の打破を強調したが、変化した人事で3年目の実力を証明できなければ、相手を敵に回した前政権の「積弊清算」と似ていると見られる可能性もある。