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「極端な憎悪・嫌悪が招いた政治テロ、敵対文化を正さなければ」

「極端な憎悪・嫌悪が招いた政治テロ、敵対文化を正さなければ」

Posted January. 03, 2024 08:13,   

Updated January. 03, 2024 08:13

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「互いへの憎悪と嫌悪を煽る極端な政治が招いた『政治テロ』だ」

2日に発生した野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表に対する襲撃事件について、専門家らは「政治の二極化による政治嫌悪が現れた」とし、このように診断した。暴力を使わなければ自分の意見を政界に伝えることができないという怒りと不信が犯罪行為につながったということだ。専門家らは、このような政治暴力を放置すれば、2021年1月のトランプ前米大統領の支持者による連邦議会乱入事件や22年7月の日本の安倍晋三首相殺害事件など、民主主義を否定する極端な攻撃に拡大する可能性があると懸念を示した。

与野党の政治家らも「政界も今回の事件を機に互いを敵視する文化を正し、特定の集団に対する攻撃的な発言も控えるべきだ」と自省の声を上げた。

●「民主主義に対するテロ」

民主党は同日、李氏に対する襲撃を「テロ」と規定し、「民主主義に対する深刻な脅威」(権七勝首席報道官)と批判した。金振杓(キム・ジンピョ)国会議長も声明を出し、「いかなる場合でも暴力行為は決して容認できない」と非難した。

政治専門家らは、これまで蓄積された嫌悪政治と極端な「ファンダム(ファン集団)政治」文化が暴力行為で表出したと分析した。巨大2党間、または同じ党内でも考えが違えば敵対し、排除の対象にするムードの中で暴力が繰り返されているという指摘だ。

仁川(インチョン)大学政治外交学科の李俊漢(イ・ジュンハン)教授は、「朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領に対する襲撃など政治テロが続くのは、暴力を使わなければ、自分の意見をきちんと表出して政界に伝えることができず、受け入れられないという不信感のためだ」と診断した。相手を否定して反対することが当たり前の、一種の「ビトクラシー(vetocracy・拒否権統治)」の状況ということだ。パク・サンビョン政治評論家は、「相手を悪魔化する政治構造が繰り返され、相手を協治や共生の対象ではなく排除すべき対象として見る文化が広範囲に形成されている」と指摘した。

専門家らは、これまでは個人の逸脱レベルだが、これを放置すれば特定団体の集団行動に拡大する可能性があると指摘した。延世(ヨンセ)大学の政治外交学科の梁勝咸(ヤン・スンハム)教授は、「事実上、韓国も米国の連邦議会乱入事態の直前まで行った」とし、「支持層が内部で争い、互いに攻撃し始め、それを集団行動で噴出すれば、米国のようなことが国内でもいくらでも起こりうる」と指摘した。

●政治家たち「敵対的な発言を控えるべき」

極端な政治暴力を防ぐには、結局、政治家自身の自省と刷新が必要だという指摘だ。与野党ともに世論に承服し、互いへの敵対的な発言を控えるべきだということだ。梁氏は、「政治家が互いに『清算』、『撲滅』などの表現を使い、敵対的で嫌悪的な政治を作っていくことが、このような対立を引き起こす」と話した。

極端なファンダム政治を自制しなければならないという指摘も出た。徳城(トクソン)女子大学政治外交学科のチョ・ジンマン教授は、「最近の政治は相手を悪と規定し、決して共に行くことができない積弊清算の対象と規定する」とし、「同じ党内でも強固な支持層を背に、相手を道徳的に非難し、排斥の対象と見なす」と指摘した。ある野党関係者は、「犯人の政治的支持傾向を離れ、特定の政治家個人が攻撃の対象になったこと自体が過剰なファンダム政治文化の影響だ」との述べた。

政界からも自省の声が出た。与党「国民の力」の徐秉洙(ソ・ビョンス)議員は電話取材に対し、「韓国政治があまりにも極端な対立に進み、支持者の間でも感情的な対立があるのではないか」と話した。同党の黄祐呂(ファン・ウヨ)常任顧問も「政治家同士が公的な話をする時は、相手を支持する国民が後ろにいるということを念頭に置いて尊重しなければならない」とし、「原則的に政治家はユーモアや洒落、比喩などを活用して表現を和らげる必要がある。それが民主主義の演説と対話の伝統だ」と強調した。民主党の李元旭(イ・ウォンウク)議員も電話取材に対して、「極端な政治嫌悪現象を作った政界全体が自省しなければならない」と話した。


金志炫 jhk85@donga.com