Go to contents

「衛星を支援」「共に戦線に」…「制裁打破」を目指す北朝鮮とロシア

「衛星を支援」「共に戦線に」…「制裁打破」を目指す北朝鮮とロシア

Posted September. 14, 2023 08:23,   

Updated September. 14, 2023 08:23

한국어

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記とロシアのプーチン大統領が13日、ロシア・アムール州のボストーチヌイ宇宙基地で首脳会談を行い、全面的な協力を約束した。プーチン氏は、北朝鮮の偵察衛星開発支援の意向を明らかにし、「だから私たちがここに来た」と述べた。金正恩氏も、「常に反帝自主戦線でロシアと共にいる」と述べた。北朝鮮の通常兵器とロシアの軍事技術を交換する軍事的取り引きが核心議題になることを明らかにしたのだ。会談では、対北朝鮮制裁緩和はもとより、食糧・エネルギー輸出、北朝鮮労働者の派遣まで議論されたものとみられる。

今回の会談は、北朝鮮とロシアがウクライナ侵略戦争で連帯し、国連の対北朝鮮制裁を打破するという対外的宣言にほかならない。北朝鮮との兵器取り引きはもとより、技術移転、労働力提供などはすべて安全保障理事会の制裁決議違反だ。特に、ロシアはそのような制裁に賛成した安保理常任理事国の一国だ。安保理常任理事国は、第2次世界大戦の戦勝5ヵ国に世界秩序維持のために付与した特別な地位だが、ロシアはそのような責任など眼中にないという態度だ。ロシア大統領府は、「私たちにとって重要なのは国益であり、米国の警告ではない」とも述べた。

金正恩氏の訪ロ日程を見ても、そこに込められたメッセージは挑発的だ。会談場所をロシアが新たに建設した先端宇宙基地に決めた。金正恩氏は、スホーイ戦闘機生産基地も訪れるという。ロシアが砲弾やロケットなどの通常兵器を受け取る代わりに、北朝鮮が2度失敗した軍事偵察衛星技術を提供し、脆弱な北朝鮮の空軍力まで補強するという対外公表だ。北朝鮮は、会談開始1時間前、平壌(ピョンヤン)から東海(トンへ・日本海)方向に短距離弾道ミサイル(SRBM)2発を発射した。指導者の不在中に軍事態勢を誇示し、国際社会の警告は意に介さないという武力示威だ。

金正恩氏とプーチン氏は、不透明な権力の頂点で秘密の取り引きを好む独裁者だ。そんな2人が会って危険な兵器取り引きを隠そうともしなかった。ロシア大統領府は、「公開や発表されてはならない敏感な分野で協力している」とまで言い出した。このような核武装ならず者国家に制裁と圧力が通用するとは思えない。それでも西側諸国の結束を固めつつ、そのような不純な連帯に第3国が加担したり、興味を持ったりすることがないよう全方位にわたってしっかりと締め付けるしかない。ただ目先の利益と一時的な取り引きで結ばれた蜜月は長くは続かないだろう。