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「金正恩・プーチン会談」間近、北朝鮮核の高度化と「危ない取り引き」を警戒する

「金正恩・プーチン会談」間近、北朝鮮核の高度化と「危ない取り引き」を警戒する

Posted September. 06, 2023 08:35,   

Updated September. 06, 2023 08:35

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が、早ければ来週にもロシアを訪問し、プーチン大統領と会う可能性があると、米紙ニューヨーク・タイムズが4日付で報じた。両者の会談は、10~13日にウラジオストクで開かれる東方経済フォーラムへの出席を機に行われる模様だ。朝ロ首脳会談が実現すれば、2019年以来4年半ぶりであり、金正恩氏の海外訪問もその時以来だ。米ホワイトハウスも、「金正恩氏がロシアで首脳級外交を含む兵器交渉を期待しているという情報がある」と明らかにした。

金正恩氏とプーチン氏が会おうとするのは、これまでの密かな取り引きを超え、堂々と両首脳間の親密さを誇示し、北朝鮮の通常兵器とロシアの先端技術の交換を内外に公式化する狙いがあるとみられる。7月末のロシア国防相の北朝鮮軍事パレード出席後、急速に議論が進展しているのは、それだけ両国が切迫した事情であることを物語る。現在、ロシアはウクライナ戦争に使用する弾薬や軍需品の枯渇に苦しんでおり、北朝鮮は核・ミサイル兵器開発の技術的限界に直面している。金正恩氏の訪問地にロシアが新たに建設したボストチヌイ宇宙基地や太平洋艦隊の停泊地である33番埠頭が挙げられていることからも、北朝鮮の関心事がうかがえる。

このように、朝ロ会談は「危険な取り引き」を予告している。今は凋落したロシアだが、依然として核兵器を最も多く保有している軍事大国だ。地対空ミサイルや戦闘機エンジン、潜水艦などの軍事技術は中国も羨むレベルだ。北朝鮮は、弾薬など通常兵器を提供する代わりに、軍事偵察衛星や原子力潜水艦、さらには大陸間弾道ミサイル(ICBM)の再突入技術を得ようとしている。ロシアの技術提供は、高度化する北朝鮮の核・ミサイル開発にさらなる飛躍の契機となりかねない。ただでさえ挑発と脅迫を繰り返す北朝鮮をさらに傲慢な無法者にならしめる。

新冷戦気流の激化に伴う中朝ロの密着はある程度予見されたことだが、その急加速は世界情勢をさらに揺るがす不安要因となるだろう。すでに隣国の主権を乱暴に蹂躙したプーチン氏と違法な兵器開発に躍起になっている金正恩氏の連帯は、全世界の警戒心を呼び起こている。さらに、金正恩氏は、5年前に米韓首脳に対して見せた華やかな外交活動を再開するかもしれない。今回はロシアをテコに中国を煽り、新冷戦対決の行動隊長を自称する可能性がある。政府は動向を注視しつつ、韓米日の緊密な連携と国際社会の対応策を講じなければならない。