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「貿易依存」の甘い中毒から脱却しなければ未来はない

「貿易依存」の甘い中毒から脱却しなければ未来はない

Posted August. 04, 2023 08:17,   

Updated August. 04, 2023 08:17

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「この機に韓国企業の脱中国が適度に行われることは、むしろ良かったと思う」

米国のインフレ抑制法(IRA)と半導体法の施行を機に、企業の中国投資が制約を受けていることについて、最近会った経済官僚はこのように本音を吐露した。彼は、「これまで対外経済で中国への依存度が過度に高かったが、これからは政府が介入しなくても企業が自ら中国リスクを減らすだろう」と話した。実際、中国経済への過度の依存は危険だという警告は以前からあった。それなのに、今更米国の中国牽制に頼ってリスクを解消しようとするのは、手を使わずに鼻をかむようなものではないのか。

実際、これまで政府と産業界はいわゆる「中国特需」に酔い、その裏のリスクを真剣に考えなかった。李昌鏞(イ・チャンヨン)韓国銀行総裁は先月14日、大韓商工会議所のフォーラムで。「国内産業が過去10年間、中国特需に夢中になって構造調整の期間を逃した」と指摘した。中国の低賃金特需を享受し、国内製造業の比重が維持され、産業パラダイムの変化が遅れたということだ。李氏は、「最近、対中輸出が減少しているのも、単に米中対立のせいではなく、このような構造的な原因が隠れていると見るべきだ」と強調した。

中国特需中毒はすでに韓国経済に少なからず負担となっている。今年上半期(1~6月)の対中輸出が26%急減し、今月20日までに貿易赤字が約278億ドル(約35兆4172億ウォン)になった。中国の景気低迷が深刻化し、主力品目である半導体などの対中輸出が急減したことによる。最近の韓銀の報告書(「最近の韓国輸出の特徴及び示唆点」)によると、今年1~4月の各国の輸出増加率を比較した結果、韓国、台湾、ベトナムなど対中依存度が高い国ほど輸出が低迷していることが分かった。米中対立が深刻化する局面で、対中輸出依存は今後、より大きな負担となるだろう。

国家間の安全保障の対立が大きくなる局面では、経済的相互依存は逆に相手国に弱点になりかねない。中国のTHAAD(高高度迎撃ミサイルシステム)経済報復が代表的だ。7年間中国を最大の貿易国としているドイツは今年6月、国家安全保障戦略を発表し、原材料やエネルギー供給などで中国への依存を減らし、供給先を多様化する方針を明らかにした。しかし、中国と領空・領海を接しており、73年前に戦争までした韓国の対中リスクは、地球上のどの国よりも大きい。にもかかわらず、韓国の対中依存度は高い。

韓国貿易協会によると、中国産尿素輸入の割合は2021年の71.2%から昨年66.5%に低下したが、今年上半期には89.3%に上昇した。21年10月、中国が尿素輸出を阻止し、車用尿素水の不足で「物流大乱」が起きたにもかかわらず、中国の輸入依存はむしろ拡大した。中国産尿素水の価格対品質が優れているというのが理由だ。今、中国はレアアースに続き、ガリウム、ゲルマニウムなどの希少金属に対する輸出統制も強化している。中国の一方的な鉱物統制に対応するために関連国とのネットワーク構築が急務だ。しかし、それ以上に重要なことは、目先の利益に振り回されることなく、長期的な次元で中国リスクを減らすという国家的な意志だ。