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酒か観戦か、「二者択一」のワールドカップ

酒か観戦か、「二者択一」のワールドカップ

Posted November. 22, 2022 08:45,   

Updated November. 22, 2022 08:45

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「ケレモス・セルベサ(Queremos Cerveza)!」

21日、ドーハのアル・バイト・スタジアムで開かれた2022ワールドカップ(W杯)カタール大会の開幕戦を訪れたエクアドルのファンは、自国の選手たちがゴールを決めるたびに、スペイン語で「私たちはビールが欲しい」と叫んだ。エクアドルは結局、カタールを2-0で破ったが、2014年のブラジル大会の1次リーグの第2戦以降、8年ぶりに収めたW杯本大会での勝利も、彼らの喉の渇きを解消することはできなかった。

W杯の開幕を2日後に控え、競技場の外のブースでのビールの販売を全面禁止し、ファンの不満も高まっている。カタールはもともと、公共の場での飲酒を禁止する国だが、W杯期間中に競技場の外に設けられたブースではビールを販売することにした。しかし、カタール王室では、ビール販売ブースを撤去するよう方針を変え、競技場周辺ではビールを飲むことができなくなった。

今回のW杯期間中、サッカーファンがビールを飲むためには、ドーハ近くの「アルビッダ公園」に用意した公式「ファンゾーン(Fan Zone)」に行かなければならない。アル・バイト・スタジアムからファンゾーンまでは48キロの距離だ。ソウルのW杯競技場で試合が終われば、水原(スウォン)のW杯競技場まで行ってお酒を飲まなければならないわけだ。しかも、ファンゾーンが一度に収容できる人数は4万人で、大会期間中にカタールを訪れるサッカーファン120万人を収容するには大きく不足する。ファンゾーンが現地時間の19日午後8時に初めてオープンした時から、カタール警察はファン数千人を送り返さなければならなかった。開幕戦の当日も、ファンゾーンには試合開始の1時間半前から数万人のサッカーファンが集まった。

ファンゾーンに入れなかったファンに残った選択肢は、カタール政府から特別に酒類販売許可を受けたいくつかのホテルバーや飲食店に行くことだ。ここも大半が満席だ。APによると、ドーハ・マリオットホテルのラウンジバーマネージャーは、「客を送り返し続けることも大変だ」と話した。ドーハにあるDTナイトクラブも、サッカーファンに「できるだけ早く来ることをおすすめする。さもなければ入場できない」と案内している。

皮肉なのは、需要もあふれているが、「供給できない供給」もあふれているということだ。W杯競技場のブースで、ビールが販売できなくなると、国際サッカー連盟(FIFA)の公式スポンサー「バドワイザー」は、カタールの物流倉庫に積まれたビールの写真と共に、「勝利した国がバドワイザーを得る。誰が取るだろうか」と書いてツイッターに掲載した。英国の醸造所から取り寄せたビールが、突然の販売禁止令により行き場を失い、優勝国のファンと共にするイベントを用意したのだ。バドワイザーは決勝戦が近づくと、詳細なイベント計画を発表する予定だ。


任寶美 bom@donga.com