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再び襲った中国発粒子状物質、「弱腰」外交では解決は程遠い

再び襲った中国発粒子状物質、「弱腰」外交では解決は程遠い

Posted November. 17, 2020 08:35,   

Updated November. 17, 2020 08:35

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新型コロナウィルスの感染が拡大する中、一時は落ち着きをみせていた粒子状物質が、再び猛威を振るっている。一昨日、ソウルに今秋初めて、微細粒子状物質注意報が出され、首都圏と忠清(チュンチョン)圏などの中西部地域は12日から4日間連続で、微細粒子状物質の濃度が「悪い」レベルが続いた。忠南(チュンナム)地域は14日と16日の二日間、非常低減措置が出され、昨日も光州全南(クァンジュ・チョンナム)と釜山慶南(プサン・キョンナム)を除く全国のほとんどが「悪い」と空気の質が悪かった。

韓国の粒子状物質は、高濃度時は、最大で80%が中国から流入するほど、中国の影響が圧倒的と言える。最近特にひどくなったのも、偏西風に乗って中国から飛んできた大気汚染物質が、韓国内で大気停滞によって溜まっているから、というのが環境当局の分析だ。コロナ禍によって落ちていた中国の工場稼働率が100%近くに回復したうえ、冬場の暖房が始まり、中国から流入する汚染物質の総量が再び増えたためだ。今年に入ってから9月まで、中国全土の粒子状物質の濃度は平均11.8%減少するなど、中国大気質が一部改善したとはいえ、コロナ禍による錯視現象であっただけで、中国発粒子状物質の災害は、依然韓国人の健康や日常を壊している。

昨年春に韓半島を襲った最悪の粒子状物質を経験して、中国発粒子状物質解決が国家的課題として浮上すると、文在寅(ムン・ジェイン)政府も何か根本的な対策を講じるかのように見えた。しかし、その後2年近く経っても、何一つ進展したものがない。両国環境閣僚会議と実務者協議を1年に一、二回開いて対策を議論しているが、ここで出てくる対策というのは、情報交流や学術研究のレベルを超えていない。

文大統領は昨年、粒子状物質問題で民心がたぎると、潘基文(パン・ギムン)元国連事務総長を委員長とする汎国家的対策機構である国家気候環境会議を発足させたが、その後はこれといった進展がない。中国は依然、「ソウルの粒子状物質は現地で排出されたものだ」として、自国の責任を認めていないのに、韓国政府は公に抗議すらできず、生ぬるい態度を取っている。

もちろん、中国の産業・環境政策が画期的に変わらない限り、中国発大気汚染物質の襲来を根本的に遮断する方策はないだろう。しかし、中国が東沿岸の工場の汚染物質排出基準を大幅に強化し、排出総量削減のための果敢な投資に乗り出せば、現在、韓国を襲っている粒子状物質の相当量は減るだろう。粒子状物質問題は、国民が息ができるかできないかという生存の問題であるだけに、控えめな対応を捨てて、中国に対して根本的な粒子状物質低減対策作りを強力に促す必要がある。