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バイデン氏「米国の魂が打ち抜かれた」 黒人銃撃事件、大統領選の「台風の目」に

バイデン氏「米国の魂が打ち抜かれた」 黒人銃撃事件、大統領選の「台風の目」に

Posted August. 26, 2020 09:44,   

Updated August. 26, 2020 09:44

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米ウィスコンシン州ケノーシャで、非武装の黒人男性ジェーコブ・ブレークさん(29)が白人警官に撃たれて重体となった事件が発生し、11月の大統領選を控えて人種差別問題が再び浮上している。野党民主党の大統領候補のバイデン前副大統領は、「このような銃撃事件は米国の魂を打ち抜く。直ちに真相を捜査し、責任を追及すべきだ」とし、大統領選の争点とする考えを明確にした。

 

24日、ケノーシャには州兵まで投入されたが、各地で通行禁止時刻の午後8時が過ぎても、数百人のデモ隊が警察と対立した。彼らは、前日のデモで燃やされたトラックに再び火をつけ、警官も催涙弾を発射して対抗した。同日、ニューヨーク、ワシントン、ミネアポリスなど各地で「ブレイク」と名前を叫んで警察の対応と人種差別を抗議するデモが相次いだ。

 

一部では、今回の事件を「第2のフロイド事件」と呼んでいる。5月25日、ウィスコンシンと隣接するミネソタ州ミネアポリスで非武装の黒人男性、ジョージ・フロイドさんが白人警官に首を押さえつけられて死亡した事件と似ているということだ。当時、昼間で数人の市民がフロイドさんの死を目にしたが、今回はブレイクさんの幼い3人の子どもたちが父親が銃で撃たれる場面を目撃し、デモ隊の怒りを買った。

政界は、今回の事件の波紋を注視している。大統領選の選挙人団538人のうち10人がかかったウィスコンシンは、衰退した工業地帯(ロストベルト)の代表地域であり、大統領選の結果を左右する激戦州の1つとされる。2016年の大統領選でヒラリー・クリントン民主党候補の楽勝が予想されたが、トランプ氏が0.7ポイント差で勝ち、選挙人団10人を獲得した。このため、民主党は今年の全国大会をウィスコンシンで開催することにしたが、新型コロナウイルスの感染拡大で、ほぼすべて画像会議に変えた。

バイデン氏は同日、声明を出し、「人種差別は米国の慢性的な問題だ。人間は全て平等で皆が平等な待遇を受ける理想のために闘争する」と明らかにした。

一方、トランプ氏の長男、トランプ・ジュニア氏は、「ブレイクさんが家庭内暴力や性犯罪の前科があり、警察を攻撃した前科もある」というツイッターの投稿をリツイートした。トランプ・ジュニア氏は、ケノーシャで車両が燃える映像を共有し「平和なデモ」と嘲弄した。

ウィスコンシン州のトニー・エバーズ州知事は民主党所属だが、州議会の過半は共和党が占めている。エバーズ氏が「ブレイクさんは、米国とウィスコンシンで公権力の銃に撃たれた初めての黒人ではない」として人種差別の可能性を指摘すると、警察労組や州内の共和党政治家らは、「無責任で刺激的な発言を止めよ」と反発した。

事件の具体的な情況も徐々に出てきている。米紙ワシントン・ポストなどは、ブレイクさんが襲撃当時、車両のひっかき傷をめぐって争う女性を止めていた。警官は、ブレイクさんが問題を起こしていると判断し、銃撃を加えたと報じた。ブレイクさんは病院に運ばれ、命に別条はないという。銃を撃った2人の警官は休職扱いとなった。


兪載東 jarrett@donga.com