トランプ米大統領が、与党共和党の全国大会が開かれる２４～２７日の４日間、演説を行う。新型コロナウイルス感染拡大のため、自宅があるデラウェア州ウィルミントンからオンラインを通じて全国大会に参加した野党民主党の大統領選候補、バイデン前副大統領との差別化を図ったとみられる。過去に大統領が出演したリアリティーショー「アプレンティス」のプロデューサー２人が全国大会の演出を担うと、米紙ニューヨーク・タイムズなどが伝えた。
トランプ氏は２４日、専用ヘリ「マリーンワン」に乗って、ワシントンのホワイトハウスから全国大会の会場があるノースカロライナ州シャーロットに移動する。全国大会の花である候補指名は慣例である最終日ではなく初日の２４日に行われる。２５日にメラニア夫人と長女のイバンカ大統領補佐官らの支持演説、２６日にペンス副大統領の副大統領指名受諾演説が行われ、２７日夜、ホワイトハウスでトランプ氏が最後に指名受諾演説を行う。
共和党の唯一の黒人上院議員であるティム・スコット議員、ケビン・マッカーシー共和党下院院内総務、ニッキー・ヘイリー前国連大使、イスラム過激派組織「イスラム国」（ＩＳ）に拘束されて２０１５年に死亡した人道活動家カイラ・ミュラーさんの両親、新型コロナウイルス感染拡大で連邦政府の支援を受けたコーヒーショップの店主などが応援演説をする。
ただし、ジョージ・Ｗ・ブッシュ元大統領やミット・ロムニー上院議員など大統領との関係が良好でない共和党の有力者らは参加せず、事実上、全国大会が「トランプ・ワンマンショー」になったと指摘されている。民主党の予備選挙でバイデン氏と対立したバーニー・サンダース、エリザベス・ウォーレン上院議員らがバイデン氏の支持を呼びかけたのとは対照的だ。民主党は、共和党の全国大会中に、ナンシー・ペロシ下院議長、グレッチェン・ホイットマー・ミシガン州知事、ピート・ブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長らが演説して対抗する計画だ。
トランプ氏は２２日、ツイッターに、「バイデン氏と民主党は偉大なウィスコンシン州ミルウォーキーを訪れず、礼を欠いた」とし、白人労働層支持者の結集を図った。ウィスコンシンは、衰退した工業地帯「ロストベルト」の代表地域であり、新型コロナウイルスの感染拡大前、民主党がオフライン全国大会を開催しようとした所だ。トランプ氏は４年前の大統領選で、民主党支持勢力が強かったウィスコンシンで勝利し、勢いに乗ってホワイトハウスの主になった。
米メディアは、トランプ氏の選挙陣営が１９８８年の大統領選での共和党のジョージ・ブッシュ元大統領の逆転を参考にしていると伝えた。当時、ブッシュ氏はマイケル・デュカキス民主党候補に大きく後れを取ったが、全国大会で「デュカキスが凶悪犯罪者に甘い」というネガティブ攻撃を行い、大統領選で楽勝した。
兪載東 jarrett@donga.com
About Dong-A Ilbo