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「銀河鉄道999」の選択

Posted March. 28, 2017 08:32,   

Updated March. 28, 2017 08:33

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日本人の鉄道に対する格別な愛情は有名だ。2015年3月、大阪と札幌間を走っていた特急寝台列車の退役式が開かれたときは、最後の見送りのために3500人が詰めかけた。列車の写真家や記念品コレクターなどの鉄道愛好家たちは200万人あまり、関連産業は40億円規模と試算される。

◆宇宙を背景にした日本のアニメ「銀河鉄道999」にも、洗練された宇宙船の代わりに、蒸気機関車に似た超光速列車が登場する。母を亡くした10歳の少年が主人公だが、正体不明の金髪美人「メーテル」の助けを借りて、汽車に乗る。永遠の命を持つ機械人間になれるという列車の終点であるアンドロメダへの旅である。「銀河鉄道999」は、1977年に雑誌連載で発表された後、テレビ版や劇場版アニメで制作された。韓国国内では1981年にテレビで放映されて以来、1996年と2009年に再放送された。「列車が闇をかきわけて天の川を渡ると、宇宙ステーションには陽光が降り注ぐ」。4050世代の多くの人々が、金國煥(キム・グクファン)が歌った「銀河鉄道999」の主題歌を一緒に歌いながら、宇宙への夢を育てた。

◆「銀河鉄道999」の発表40周年記念展示がソウルで開かれ、原作者である松本零士氏(79)が最近来韓した。生と死、永遠の命と有限さ、機械と人間など、子供たちには多少難解なテーマが溶け込んだ漫画で、主人公の鉄郎は結局、機械人間の代わりに生身の人間を選ぶ。零士さんは、「永遠に生きることができれば、適当に生きるんじゃないだろうか」と主張した。人工知能(AI)の時代が現実に迫っている今、「銀河鉄道999」の結末がなおさら長い余韻を残す。

◆日本の絵本「100万回生きたねこ」には、100万回を生きて100万回死んだ猫が登場する。悲しみや別れ、喪失の感情を知らなかった猫は、100万年を生きながら一度も泣かなかったが、愛する猫の死の前で号泣する。人生の意味を正しく感じることができなければ、100万回を生きても生きたことにはならないので、100万1回目の生まれ変わりを放棄する。永遠の命より、後悔しないただ一度の人生を生きること、それこそが鉄郎と猫が悟った貴重な教訓ではないだろうか。