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[オピニオン]ろうそく集会の民心

Posted November. 14, 2016 07:44,   

Updated November. 14, 2016 07:47

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都市国家アテネの政治家アリステイデスに文字を知らない田舎者が陶片を渡した。相手が誰か分からなかった田舎者は、その陶片にアリステイデスと書いてほしいと頼んだ。アリステイデスは、「その者があなたに何か悪いことをしたのか?」と聞いた。田舎者は「何の関係もありません。どこへ行っても『正しい人』と言われるのを聞くと嫌になるのです」と言った。プルタルコス英雄伝に出てくる陶片追放のエピソードだ。

◆陶片追放は、独裁する可能性が高い人を先制的に選び出して追放するすばらしい制度だった。名前が書かれた陶片が6000個を超えれば追放対象になる。別名「正しい人」だったアリステイデスは、田舎者に自分の名前を書き、追放された。しかし、その背後には政治ライバルのテミストクレスがいたという。陶片追放は、政敵を除去して衆愚政治が幅きかせる手段に次第に転落した。

◆12日、ろうそく集会には類例のない多くの人が集まった。5号線光化門(クァンファムン)駅の外に出るだけで30分かかるほどだった。人波に押されて「李在明(イ・ジェミョン)城南(ソンナム)市長、大統領候補者です」という叫び声に振り向くと、李市長が市民と一緒にいた。少し離れたところで野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)議員は、「大統領権限代行が1年4ヵ月も国を率いることはできない」と声高々に演説した。インディーバンドのクラインナッツの歌「馬を走らせよう」と賞与を掲げた農民の「朴槿恵 退陣」の声が交錯した。「朴槿恵(パク・クンへ)退陣」のスローガンがあちこちで聞こえた。

◆1688年の名誉革命はオランダのオラニエ公ウィレム3世が英議会と手を握ってジェームズ2世を追い出した無血革命だった。その結果、ジェームズ2世の娘はメアリー2世で、娘婿のウィレムは、ウィリアム3世で共同即位した。王1人の空席を「1+1」女王と王が占めた。しかし、王の権力は議会が主導した立憲君主制に閉じ込められることになった。野3党は、12日、史上最大のろうそく集会の民心に乗った。虎のような民心に押されず、より良い政治に導いく指導者がその中にいるのか信じられない。

異鎮(イ・ジン)論説委員leej@donga.com



이 진 イ・ジン記者 leej@donga.com