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[オピニオン]「スプートニク危機」不感症

[オピニオン]「スプートニク危機」不感症

Posted October. 04, 2016 07:20,   

Updated October. 04, 2016 07:34

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1957年10月4日、ソ連のバイコヌール宇宙基地で、R7ロケットが轟音と共に上空に打ち上げられた。5分後、ロケットは直径58cm、重さ83.6kgの本体に4つのアンテナをつけたアルミニウムの球が地球軌道に乗った。人類初の衛星スプートニクだ。米国を驚かせたのは、衛星よりもソ連が核弾頭で米本土を攻撃する能力があることを立証した長距離ロケットだったことだ。アイゼンハワー米大統領は「スプートニク危機(Sputnik crisis)」という言葉で衝撃と当惑を表現した。

◆当時米国はソ連を軽く見ていた。フルシチョフ共産党書記長が「水素爆弾を積んだ大陸間弾道ミサイル(ICBM)を持っている」と豪語してもホラと片付けた。国力でソ連を凌駕するという自信が錯覚だったことが判明し、米国は切歯腐心した。航空宇宙局(NASA)を設置して科学技術分野に莫大な予算を投じた。教育も基礎学問を重視する方向に大幅に改編した。1969年7月21日、アポロ11号の船長アームストロングが人類初めて月面に着陸し、米国ははじめて宇宙開発競争で逆転することになる。

◆2011年1月25日、オバマ大統領は一般教書演説で、「今私たちの世代は(さらなる)スプートニク・モーメントを迎えている」と述べた。中国の浮上を指摘して研究と教育に対する大々的な投資方針も明らかにした。その時、オバマ大統領が模範的事例に挙げたのが、韓国の教育とネットインフラの構築だった。5年が過ぎた今、今度は北朝鮮が米本土まで核で攻撃すると豪語する状況になった。

◆今年に入って北朝鮮が相次いで核実験とミサイル発射を強行し、韓国に迫った危機はスプートニク以上だ。国家非常事態と言っても過言ではないが、与野党は金在水(キム・ジェス)農林畜産食品部長官の解任建議案の国会通過が適法だったかどうかをめぐって泥仕合をしている。一部の猛烈労組はスト闘争までしている。慢性的な危機不感症なのか、危機にも動揺しない大様さなのか。安全保障を失えば全てを失うということが歴史で繰り返された教訓だ。

韓起興(ハン・ギフン)論説委員eligius@donga.com



한기흥기자 ハン・ギフン記者 eligius@donga.com