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タンナザサが漢拏山を占領、在来植物20種類が絶滅危機

タンナザサが漢拏山を占領、在来植物20種類が絶滅危機

Posted October. 07, 2015 08:42,   

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4日、漢拏山(ハルラサン)頂上のすぐ下の白鹿潭(ベクロクダム)北西壁の標高1900メートル地点。漢拏山でだけ生息している黄緑色のタンナザサが、岩壁に沿って頂上に向かって進んでいる姿がはっきりと目に入った。漢拏山の低地帯から高地帯までを占領しているタンナザサが、さらに領域を広げ、白鹿潭噴火口に向け猛烈な勢いで突き進んでいる。漢拏山特産植物のガンコウランやビャクシンがタンナザサを避けて、岩に避難したが、数年しか持ちこたえることのできない運命となっている。

タンナザサの領域から逃れたリョウリギクは、岩の隙間から純白の花を咲かせているが、危なっかしい姿で迫っている。漢拏山の春を赤く染める玄海ツツジや朝鮮ヤマツツジは、1メートル以上も育ったタンナザサの野原に埋もれて、なんとか首だけを突き出している。タンナザサは、世界最大規模の生息地である朝鮮シラベの森さえ脅かしている。朝鮮シラベの下層部にぎっしり詰まっていて、種が発芽するのを遮っているからだ。

●タンナザサは、30数年前までは標高600〜1400メートル地点に、ポツリポツリと分布していたが、今は、渓谷や岩石地帯を除く、漢拏山国立公園の全域に広まっている。済州道(チェジュド)が推定する分布面積は244.6平方メートルに上る。イネ科に属するタンナザサは、葉っぱの縁に白い柄があるのが特徴であり、根茎が土をしっかりとつかみながら、自生地を広げている。漢拏山研究院などの調査の結果、タンナザサの侵入前までは、ガンコウランやイワハタザオや漢拏イヌヤクシソウ、イブキジャコウソウなど、20種類以上の植物が生息していたが、タンナザサが入ってきてからは、タンナザサ1種のみ生息していることが明らかになった。

タンナザサが早いテンポで繁殖したことで、オリモクコースのサジェビ丘(標高1423メートル)から、ウィッセオルム(標高1700メートル)周辺に至るまでのガンコウランやビャクシンは、その大半が消えるなど、深刻な被害を与えている。主に、白鹿潭噴火口周辺でだけ生息している高山希少植物の岩梅やタンナシラタマソウ、済州シャジクソウ、オオミコゴメグサ、シマシャジン、タンナヤマハハコは遠くないうちに絶滅する危機に置かれている。タンナザサは、地表面をしっかり固定させる特徴があるので、土壌崩壊や浸食を食い止める効果があるのは事実だが、種の多様性確保や希少植物保護のための対策が急務だという指摘が出ている。

●「馬の放牧を復活させて、繁盛を抑制すべき」

タンナザサの繁盛は、地球温暖化によって気温が高まっている上、タンナザサを食べつくしていた牛や馬の放牧が、1980年代半ばから禁じられたためとみられる。国立山林科学院のキム・チャンス暖帯亜熱帯山林研究所長は、「タンナザサは、一年中その葉っぱが生い茂っており、根が四方八方に広がっているので、新しい植物が簡単に根を下ろすことができない。漢拏山の貴重な資源保全のためには、一定地域に限って、タンナザサを撲滅する必要がある」と語った。

タンナザサの繁盛を食い止めるためには、馬の放牧を復活させるべきだという声も出ている。済州道が国立公園外郭のタンナザサ自生地で試験的に馬を放牧した結果、タンナザサの密度が半分ほどに減り、別の植物が生息した。馬1頭を1か月間放牧するのに必要なタンナザサの面積は、1万平方メートルほどであることが、調査の結果分かった。タンナザサは、たんぱく質の含量が36%、消化率は47%と、エサとしての活用が可能だという分析も出ている。漢拏山国立公園のカン・マンセン諮問委員長は、「タンナザサを糖尿や高血圧、関節炎の改善のためのサプリメントなどとして活用しているが、その処理量は微々たるものだ」といい、「公論化を経て、タンナザサを巡る対策を具体的にまとめるべき時期に来ている」と語った。



jy788@donga.com