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外貨稼ぎの北朝鮮女工「給与?そんなもの知りませんよ」

外貨稼ぎの北朝鮮女工「給与?そんなもの知りませんよ」

Posted February. 07, 2013 03:42,   

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「給与ですか?私たちはそんなものなんか知りませんよ」

6日、北朝鮮と国境を接している遼寧省・丹東の衣類加工工場。ガラガラとミシンの動く音がけたたましくなっている中、20代前半の女性労働者が、北朝鮮訛りで話した。

この女性は、北朝鮮の労働力送出計画に基づき、先月27日、同僚の職員70人と一緒にここに来た「外貨稼ぎの労働者」だ。しかし、自分の給与がどれぐらいかは知らない。工場2階の宿舎で、朝目覚めれば、3階にあがってミシンを回し、夜になると、再び宿舎に下りてくる。外に出るときは、組長から外出証を受け取らなければならない。彼女が作ったアウトドアウェアの中には、韓国のB社の製品ロゴが刻まれたものもあった。

同日、丹東から車で1時間の東港の海産物加工工場で会った別の北朝鮮の女性労働者も、自分が一月でどれぐらい受け取っているのか、工場の外には何があるのか知らないと話した。赤い作業ジャンパーを身に着けたこの女工は、11年にここに来て、すでに3年間も働いている。春節(旧正月)連休で、中国人の職員は皆ふるさとに戻ったのに対し、工場内の寮と食堂とを行き来しながら、ただ時間が早く流れることを待っているかように見えた。

北朝鮮当局が、住民を飢えさせながら数十億ドルもかかる核開発ができるのは、丹東の女性労働者らの稼ぐ外貨も一役買っている。現在、丹東の北朝鮮労働者は、少なくとも1万人は超えているだろうと、地元の消息筋らは伝えた。一人のタクシー運転手は、「中国人も今は、厳しい仕事はしようとしない。その分を北朝鮮の人たちが埋めている」と主張した。

東港海産物工場のリ某総経理は、「全従業員は1000人だが、そのうち北朝鮮労働者は200人ほどだ」と語った。北朝鮮の従業員がいなければ、工場は稼動できない。東港には、このような海産物工場が3000ヵ所に上っている。海産物工場の労働者らは、その大半が午前6時から仕事を開始し、午後4時に終わる。一人の女性労働者は、「仕事が多いときは、午後6時まで働く」と話した。12時間も作業台に立たなければならないのだ。

女性労働者のほか、丹東では毎朝、軍人らのように二列に並んで出勤する北朝鮮の若い女性らをたびたび目にする。きれいに化粧したこの女性らは、食堂で働く従業員。丹東のある消息筋は、「顔がきれいな者は食堂に、そうでなければ労働者として送り込まれるといううわさもある」と述べた。

北朝鮮労働者らが受け取る給与は、おおむね1300人民元だという。このうち、60%は北朝鮮政府や労働力送出会社、人材仲介会社のものになる。したがって、職員らが手にする金は500元ほどに過ぎない。しかしそれさえも毎月本人たちに渡されているのかどうかは確かではない。自分の給与そのものを知らないことから見て、給与を本人が受け取ったことが全くないのかもしれない。

北朝鮮は日々、労働力送出を増やす傾向を見せている。中国海関(税関)叢書によると、昨年の中朝貿易額は計60億3390万ドルと、1年前より7%伸びた。しかし、11年の貿易額の伸び率が74%だったことを考慮すれば、伸び幅が急落したことになる。これは中国の景気減速や中国向け主要輸出品である無煙炭や鉄鉱石の価格が下落したためだ。北朝鮮としては、外貨を埋め合わせるために、中国の下層労働者として自国民を送り込まざるを得ないのだ。

丹東の韓国人宣教師は、「東北3省の中国企業が、北朝鮮と労働契約を交わし、数万人が新たに流れ込むだろうという噂もある」とし、「正確な統計は知られていないが、昨年から周りに北朝鮮人が目立って増えている」と主張した。



koh@donga.com