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電子足輪をつけた性犯罪前科者、主婦を襲っては殺害

電子足輪をつけた性犯罪前科者、主婦を襲っては殺害

Posted August. 22, 2012 07:37,   

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一晩中ポルノを見たソ某容疑者(42)は20日午前9時ごろ、ポケットにナイフと青いマスク、青テープを入れたまま、家を出て、周辺を徘徊した。足首に電子足輪をつけていたが、気にしなかった。30分後、ソ容疑者の目に2人の子どもを幼稚園バスに乗せるために家を出たイ某氏(37・女)が入った。幼稚園バスは、家からわずか50メートルのところに停まるため、イ氏は玄関にカギをかけないまま家を出た。ソ容疑者はその間に家の中へ忍び込んで、部屋のドアの後ろに隠れた。イ氏が入ってくると、ソ容疑者は凶器で威嚇して性的暴行を試みた。イ氏は押しのけて逃げようとしたが、ソ容疑者が振るったナイフに3度も首を刺されて死亡した。

ソウル広津(クァンジン)警察署は21日、ソ容疑者に対して逮捕令状を請求したと発表した。ソ容疑者は04年、ソウルのある屋根部屋に忍び込んで20代の女性を性的暴行した容疑で、懲役7年6ヵ月を言い渡され、昨年11月出所した。出所前、電子足輪着用7年と性的暴力治療プログラム40時間の履修命令を受けていたが、今度の犯行を制止することはできなかった。

ソウル保護観察所では小学校のようなところに長時間いるなど、特異事項がない限り、ソ容疑者の動線を把握するだけだ。ソ容疑者の犯行場所は自分の家からわずか1キロ離れたところ。電気配管会社で働くソ容疑者は仕事柄、移動が頻繁であるため、1キロは特異事項と見なされなかった。警察の関係者は、「外出禁止や移動制限などは裁判所が決定するが、ソ容疑者の場合、別途の特別遵守事項がなかった」とし、「電子足輪は、ソ容疑者にとっては犯罪抑制効果がなかったものと見られる」と話した。

ソ容疑者は出所後10ヵ月間、保護観察所の出席面談を10回以上受けており、観察官が直接ソ容疑者を訪問して面談したのも40回以上に上る。関係者は、「電子足輪は位置を追跡することはできるが、対象者の行動を管理できないため、限界がある」と話した。

ソ容疑者は犯行直前、午前2時から3時間に渡ってポルノ映像と写真を見た。ソ容疑者の部屋で発見されたコンピューターには、不法ダウンロードした数百本の動画と写真が保存されていた。警察の調査でソ容疑者は、「一晩中ポルノを見ながら、焼酎を1本飲んだ」と話した。

既に性的暴力前科3犯のソ容疑者だったが、出所後、ソ容疑者が受けた性的暴力教育プログラムはわずか40時間に過ぎなかった。以後、精神的治療を全く受けなかったソ容疑者は、周期的に保護観察所の職員と面談したが、殆ど日常生活の話だった。電子足輪着用者に対する精神科治療が伴われないと、いつまた犯行に走るかわからない「時限爆弾」に他ならないという指摘が出ている理由だ。翰林(ハンリム)大学犯罪心理学科のチョ・ウンキョン教授は、「周辺から断絶されて独りで暮らす性犯罪者は、欲求不満がさらにエスカレートしてポルノで解消する場合が多いが、この時、捻じ曲げられた性観念が強くなりかねない」とし、「性犯罪者の考えと行動を矯正する治療プログラムが持続的に施行されるべきだ」と指摘した。



dong@donga.com