Go to contents

需要予測組織を新設へ、知経部の電力需給対策

需要予測組織を新設へ、知経部の電力需給対策

Posted November. 16, 2011 03:14,   

한국어

2012年8月。午前から摂氏30度を上回り、全国で電力需要が急増したため、麗水(ヨス)化学団地内の石油化学企業A社は、「現在の電力使用量が平素より10%多いため、午後2時から3時まで、使用量を減らしてほしい」という要請を受ける。予備電力が400万キロワットまで下がる「関心」段階に入ったため、リアルタイムで測定する計量器でA社の電力使用状況をチェックしていた韓国電力公社(韓電)が緊急の協力文を送ったのだ。

15日、東亜(トンア)日報が入手した知識経済部(知経部)の「長期電力需給改善対策素案」によると、このような状況が来年夏から現実化するものとみえる。政府が、消費者情報を公的資源化する法的な根拠づくりをし、一定規模以上の消費者(産業体)に対して、リアルタイムの計量器を設置して、韓電と韓国電力取引所が情報を共有し、管理する案を推進しているためだ。

また、政府は需要予測センターを設立し、各種許認可の手続きを簡素化して、発電所を建設する「ファースト・トラック(Fast track)制」の導入も検討している。しかし、今回の長期対策も、「電力料金の現実化」という根本的な問題を解決していない「弥縫策」だと専門家は指摘している。

●「組織新設」が長期対策?

ソウル大学の李承勲(イ・スンフン)教授を団長とする「電力危機対応体系改善タスクフォース(TF)」が9・15停電事態の最終報告書として準備している長期電力需給改善案には、別途の組織として「需要予測センター」を設立するという計画が含まれている。既存の電力取引所の需要予測チームだけでは、急変する需要変化を予測できないということだ。

しかし、政府案どおり別途に組織を作っても、予測力が高まると確約することはできない。政府TFに参加したある専門家は、「需要予測を担当する人材が増えれば、組織が肥大化し、『屋上屋を架す』ことになる。電力取引所の人材システムを改編し、外部の専門家を活用するだけでも十分に予測力を高めることができる」と指摘した。

また、最近国会が電力取引所の電力需給調節(SO)機能を韓電に再統合する動きを見せているのに対して、政府は関連法案が通過すれば、韓電の送配電(TO)機能を分離し、新たに公企業を設立する案まで検討している。

政府は、発電所を建設する時に必要な環境影響評価を最小化し、各種許認可手続きも減らすファースト・トラック制度の導入も検討中だ。この制度によると、中央政府が発電所の建設手続きの簡素化を要請すれば、地方自治体の協力が義務づけられる。しかし、すでに全国で火力発電所の誘致をめぐって環境団体と住民の反発が強く、この制度が導入されれば、社会的葛藤を増幅させる可能性がある。

●「行政力動員」規制に限界

これに先立ち、知経部が10日に発表した冬季電力需給案も一時的な対策にすぎないという指摘を受けている。この対策の核心は、民間部門を強制的に節電させ、電力を安定的に維持するということだ。自立的な参加を誘導し、電力利用のピーク時に電気を使用しない企業に、料金のインセンティブを与えた既存の需要管理制度とは異なり、義務削減量を賦課した。最大電力1000キロワット以上を使用する企業は、12月5日から来年2月末まで、昨年対比10%の電力削減が義務づけられ、違反した際は、最大300万ウォンまで過怠料が賦課される。

しかし、多くの企業は、政府の強制節電対策に懐疑的だ。政府は、操業時間を調整したり、休日勤務を通じて、生産量を調節すればいいと判断しているが、企業は、既存の生産計画を変更することは容易ではないと主張する。

●料金体系改編の共感づくりを

電力産業の専門家は、9・15停電事態後に政府が発表した対策は、抜本的な解決策ではないという点で憂慮している。電気料金を引き上げて需要を減らしたり、福島原発事故後、水面下となった原発を増やし、安価な電気を確保するという対策が抜け落ちているためだ。

政府も、電力難の抜本的対策が、企業と国民に適切な価格信号を与えるということについては共感するが、選挙を控え、電気料金の引き上げは、物価高騰で苦しむ国民に、負担を与える要因となるため、政界だけでなく政策当局者も避けている。



mint4a@donga.com