金曜日の23日午後4時ごろ、光州市光山区鰲仙洞(クァンジュシ・クァンサング・オソンドン)の三星(サムスン)光州電子(三星電子の光州地域の子会社)のエアコンの生産工場。
週休二日の勤務時代を迎え、多くの企業のサラリーマンが週末の連休計画で、仕事が手につかない時間だが、同工場の七つの生産ラインは、従業員480人余りが手を休まず仕事にいそしんでいた。
ソン・ビョンイン・グループ長は、「15〜18秒ごとにエアコン1台が出荷されている。例年より予約販売量が250%増え、土日も特別勤務をしなければならないだろう」と語った。
しかし、ソングループ長の顔には嬉しさよりは悲壮さが漂っていた。
「生産性を高め、コスト削減のために、骨身を削る努力をしています。そうでないと、グローバル競争のため、韓国でこれ以上工場を稼動できなくなるでしょう。」
三星光州電子の電子レンジ生産ラインはすでに、中国メーカーとの競争に耐え切れず、04年初頭、マレーシアやタイに移転した。
●「背水の陣を構えて働く」
エアコンや冷蔵庫、洗濯機など、代表的な白物家電製品の生産ラインが三星電子の水原(スウォン)工場から光州に移転したのは04年のこと。その時まではエアコンの輸出と内需の割合は6対4だった。それだけ国際競争力があったわけだ。しかし、工場の地方移転や、コスト削減のための絶え間ない努力にもかかわらず、輸出においては安価な中国製品に引けを取らざるを得なかった。昨年、エアコンの内需の割合は80%にも達する。
三星光州電子のユン・イチャン常務は、「業務の特性上、土地や人件費が高い首都圏の水原よりは、地方の光州が価格競争力があると判断して移転した。背水の陣を構えて働いている」と話した。
工場で出会った役員や従業員はまじめな顔で、「愛国心で働いている」と説明したりもした。光州でも製品の競争力が具備できなければ、海外に「輸出向けの生産基地」を造らざるをえないからだ。
7400坪規模のエアコン工場には、「一流の品質は選択ではなく、生存のための必須事項です」という標語が大きく張られている。従業員1人あたりの生産台数を増やすために、「生産ラインの合理化」作業が年中続いているが、それは一種の秒戦いだ。
180度体をまわして組み立て部品を取らなければならなかった工程を、前や横で取れるように改善して、1人当たり1.06秒を短縮したりする。
記者が工場を訪れた時には、ハウゼン・エアコン「アンドレ・ブラック」の生産ラインをしばらく点検していた。生産職員50人余り全員がラインの隣に立ち並んで待っていた。
ユン・テクヒョン次長は、「点検が終わりしだい、すぐ作業に取り掛かるためだ。生産ラインでは1秒も節約しなければならない」と話した。
●光州の「三星への愛情」
このような三星光州電子を守ろうとする光州の気持ちには、官民の区別がない。同社は三星電子の子会社として法人税を、ソウルではなく、光州で支払っている。名実共に「光州の企業」なのだ。
光州市議会は05年2月、三星光州電子に通じる国道4.7キロ区間の名前を「三星路」変える街路名変更指定同議案を成立させた。昨年、貨物連帯が同社の前で長時間デモを行った時も、1200人の市民デモ隊が「三星をいじめるな、出て行け」と立ち向かったりもした。
生粋の光州っ子であるソ・ミンホ三星光州電子・人事チーム課長は、「三星は嶺南に根拠を置いている企業だが、三星光州電子が地域経済に大きく貢献すれば、東西和合(全羅道と 慶尚道)や国民統合にも寄与できる」と話した。
同社が光州・全南地域に誘発した生産効果だけでも、昨年基準で9600億ウォンに上る。また、協力会社がふえて、光州のみならず、周辺の長城郡(チャンソングン)や潭陽郡(タムヤングン)、羅州市(ナジュシ)でも雇用創出効果が生まれている。
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