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韓・日・モンゴルの共通のルーツは「ジュシン族」

韓・日・モンゴルの共通のルーツは「ジュシン族」

Posted March. 14, 2006 03:37,   

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「ジュシン」という民族を知っていますか?

この聞き慣れない名前の民族が、韓国はもとより日本、満洲など、北東アジア民族の共通の始原という主張が提起された。高句麗(コグリョ)問題で再燃した韓国古代史の秘密を解き明かす新しい仮説が登場したのだ。

東洋(トンヤン)大学の金ウンフェ(国際通商学)教授は、最近発刊した著書『大ジュシンを探して』(全2巻、ヘネム)で、モンゴル、満洲、韓半島、日本を結ぶ文明史的ベルトの主役であり共通の民族の始原として、これら地域に金属文明を伝播した「ジュシン」という遊牧民族を提示した。

金教授は、三国志に隠されている中華主義の深刻性を暴いた『三国志を正しく読む』(2004年)で、中国の歴史に対する該博な知識を誇示した人物だ。彼が、今回は史学だけでなく、人類学、神話学、考古学を総動員して、「大ジュシン論」を主張した。

●「実体は一つ、名前は複数」

中国の史書は、満洲と韓半島一帯に居住した東夷族を大きく東胡(モンゴル、契丹)、肅慎(靺鞨、女真)、濊貊(古朝鮮、夫餘、高句麗)に分類してきた。韓国の学者たちは、このうち濊貊族が韓半島南部の韓族と結合し、今日の韓民族になったと説明してきた。最近中国は、古代史侵奪のためのプロジェクトである東北工程を通じて、これら東夷族がすべて中華文明に吸収されたため、中国の歴史の一部だと主張している。

一方、西江(ソガン)大学の金翰奎(キム・ハンギュ、史学)教授は04年に、「東胡、肅慎、濊貊は、韓民族でも中国の漢族でもないため、韓国史でも中国史でもない遼東史だ」と主張し、話題を呼んだ。

このような状況で提起された金ウンフェ教授の大ジュシン論は、「東胡、肅慎、濊貊だけでなく、韓民族と日本民族も同一源流から始まり、中国漢族とは明らかに差別化された民族的アイデンティティを持っていた」と説明し、中国の東北工程を強力な論理で反ばくする。

金ウンフェ教授はまず、考古学的に、中国の黄河文明とはっきり差別化された櫛目文土器、琵琶形青銅剣、石墳、石造物などの特徴を持つ古代文明が遼河流域に存在し、徐々に遼東と韓半島、日本に伝播された経路に注目した。ここに、現在のモンゴル族、満州族、韓民族、日本民族が遺伝的に非常に密接しており、言語も類似しているという人類学と言語学の研究結果を接合させた。また、これら種族の創世神話と建国神話に天孫神話と卵生神話が融合し、名弓が登場する特徴を持ち、これらが建てた国名に鉄、鳥、日、明、朝、火、金属など、互いに関連のある意味の単語が入っているという神話学的分析を結合させた。

金教授はこれを総合して、BC7世紀頃、アルタイ山脈で誕生した高度の青銅器技術を持つ遊牧民族が、中国河北省や山東省まで南下し、再び漢族に追い出されて満洲に移動したが、そのうち一部はモンゴルに西進し、一部は韓半島、日本に南進したと分析した。中国史書の記録は、この種族が移動し続けたために時代的、空間的に相違が生じ、いくつかの名前で混同されて呼ばれたに過ぎないという。まるで、今日の韓国人を地域によって朝鮮族、高麗人、コリアンと呼ぶように。

●コリ族、ジュシン族の驚くべき類似性

では、この古代種族の名前はなぜジュシンなのか。その種族名は、大きくコリ系列とジュシン系列がある。コリは、これらが初めて生まれたアルタイの種族名で、クリョ、コリ、コグリョ、コリョなどに継承されたという。その語源は、銅や空を意味する可能性が高い。

ジュシンは、朝鮮、肅慎、息慎、稷慎、珠申などと漢字表記は少しずつ異なるが、発音は類似の形で継承されてきたという。ジュシンの語源は、太陽、朝、山などが複合されたものと説明されている。

コリは韓民族系列に現われるが、ジュシンは、満洲と半島に共通に登場するという点で、より包括的だ。清を建てた満州族は、自分たちの種族を珠申と呼び、後日「文殊菩薩」の文殊の発音をとって「満洲」と呼び始めた。

金教授は、満州族が建てた金と清の歴史書が、自分たちの始祖を新羅出身の金函普(キム・ハムボ)だと明かしていることに注目する。金と清はこのため、自分たちの姓を金を意味する「愛新覺羅」と名づけ、「新羅を愛し、記憶する」という意味を込めた。

金教授はこのように、「中国二十五史」はもとより、モンゴル秘史や古書記、日本書紀などを隅々まで分析し、韓民族、契丹族、満州族、鮮卑族、モンゴル族、日本民族の共通したアイデンティティを一つひとつ明らかにした。特に、遊牧民が移動をする時に故郷の地名を持っていく伝統のため、朴達山(ブルハン山、ホン山、白頭山)、平壌(古朝鮮と高句麗の首都)、阿利水(アムール江、鴨緑江、漢江)、阿斯達(徐羅伐、ソウル、東京)などの地名がアルタイ、モンゴル、韓国、日本に同様に存在するという説明は卓見だ。

金教授は、「中国漢族の民族意識の水源池が漢なら、ジュシン族の水源池は高句麗だ」とし、「中国に高句麗を渡せば、モンゴルー満洲—韓国—日本をつなぐ過去と未来の共同体としての『ジュシン』は砂漠化するしかない」と警告した。



confetti@donga.com