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[オピニオン]大統領の謝罪

Posted May. 12, 2004 22:42,   

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重大な政治事件や国家的災害が発生した時に大統領の謝罪を要求することは、米国とて韓国と同じだ。韓国人に比べると、米国人は、一般的にささいなことにも「申し訳ない」という言葉が条件反射的に飛び出すほど、簡単に謝罪する。普通の人の謝罪には、過ちに対する是認とともに、理解と許しを請う意味が込められており、たいていは受け入れられる。しかし、国を代表する権威の象徴である大統領は、一般人とは違って政治的・法的責任が伴うだけに、謝罪をあまりしようとしない。

◆ブッシュ米大統領は、同時多発テロを予防できなかったことへの謝罪を拒否した。しかし、イラク人捕虜虐待事件に対しては、やむを得ず「謝罪」(sorry)という表現を使った。6日、ヨルダン国王と会談した後の、ホワイトハウスの庭園で開かれた短い演説でのことだった。ブッシュ大統領は演説の末尾に、「私はアブドラ国王に捕虜たちとその家族が受けた屈辱に対して謝罪すると言った」と明らかにした。イラク国民や捕虜を代表する当事者でない第3国の国王に「謝罪すると言った」という間接話法の形式を使った。にもかかわらず米国人たちはこれを謝罪と受け入れた。

◆韓国の大統領の謝罪は、形式と内容の面で米国とは異なる。歴代の大統領たちが、側近と息子の不正問題、通貨危機、対北朝鮮送金、公権力乱用などが問題となって謝罪した姿を覚えている人は少なくないだろう。厳粛な雰囲気を演出したなか、沈痛な面持ちで対国民談話文を朗読する形が大半だった。国民の怒りを解消し、政治的な決着のために、事態が危機局面に至った時点を選んだのも共通点である。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領に対する野党の弾劾議決は、そのような謝罪の慣例を拒否したことに対する反応と見ることもできる。

◆大統領が、謝罪が必要な事を最初からしないことが上策であることは言うまでもない。しかし、やむを得ず謝罪することが生じれば、時期と形式、そして適切な表現と内容は、謝罪の効果を極大化するための必須要素だといえる。しかしさらに重要なことは、謝罪の誠実性、過ちに伴う責任意識、再発防止に対する意志であろう。そのような内容が欠けた形式的な謝罪は、さらなる謝罪を呼ぶだけである。

権順澤(クォン・スンタク)ワシントン特派員maypole@donga.com