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[社説] 国際経済で一人ぼっちになった理由

[社説] 国際経済で一人ぼっちになった理由

Posted January. 16, 2002 09:45,   

中国が昨年東南アジア諸国連合(ASEAN)と自由貿易協定を結んだのに次ぎ、一昨日、日本がシンガポールと自由貿易協定を締結したとのニュースは、我々に孤立感を感じさせる。我々はまだどの国とも自由貿易協定を結んでいないためだ。自由貿易協定の推進を宣言して何年も経っているのに、韓国政府が「太陽政策」にだけこだわり、各種の「不正ゲート」に明け暮れている間、競争関係にある周辺国は、自国の利益に向けてスピーディーに動いた。

世界は目まぐるしく変化している。欧州連合(EU)が単一通貨を使い始めており、世界最大の国内市場を保有している米国は、北米自由貿易協定(NAFTA)という巨大なブロックにも満足せず、北米・南米の34カ国が参加する米州自由貿易地帯(FTAA)に関する交渉を2005年までまとめようと急いでいる。

日本とシンガポールの協定締結は、昔から進められてきた世界経済を巡るブロック化の波が北東アジアにも本格的に押し寄せていることを知らせる事件だ。世界の至る所ですでに2国間、または多国間で締結された自由貿易協定は約120件に達する。我々と直接的な競争関係にある日本と中国はわずか3年前まで、もどの自由貿易協定にも参加していなかった。

しかし、これら両国は東アジア地域経済の主導権を握るため、激しい競争を繰り広げたすえ、昨年から相次いで協定を締結している。

韓国も98年末から南米のチリと自由貿易協定の締結を進めてきた。その後、数回に渡って関税障壁の除去に向けた交渉を重ねたが、両国が農産物市場の開放などを巡って異見を示しているため、これといった進展がない状態だ。対象国家の選択を誤ったとの批判もあるが、政府省庁内でさえ合意ができないとしたら、外交通商交渉本部が存在する理由がどこにあるのか。国益のための選択であれば、農民らが反対しても積極的に説得すべきではなかろうか。

金大中(キム・テジュン)大統領は、政権発足の初期、「外交大統領」を自任して出たが、現在国際的に進められている世界経済のブロック化の流れから我々は孤立しつつある。大統領が直接海外セールス外交に取り組むのも重要であるが、長期的な観点から対外経済関係の基盤を整えることがもっと重要である。

金大統領の任期最後の年である今年は、どうにも内政の課題が多い。今後、不正ゲートを徹底的に究明して、腐敗の根こそぎに尽力しなければならない一方、ワールドカップや選挙など国内の大規模な行事が相次いで予定されているため、一時も疎かにできないが、世界は我々を待ってくれない。世界経済の流れから一度乗り遅れると、取り返しがつかなくなる。一世紀前、世界の流れを読み誤って、国を失う悲しみを経験させられた歴史を忘れてはなるまい。