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[オピニオン]大統領の洋服代

Posted December. 09, 2016 08:22,   

Updated December. 09, 2016 08:25

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米国のリンカーン大統領のメアリー・トッド夫人は、洋服代のためにホワイトハウスで使うために買い込んでいた肥料を売ろうとまでした。レーガン大統領のナンシー夫人は、デザイナーの服を借りて返さずに非難された。「ファーストレディーなので買わなければならない服がとても多かった」というブッシュ大統領のローラ夫人の回顧から、女性指導者にとって服は衣食住の一環というよりも政治行為だ。

◆李明博(イ・ミョンバク)前大統領、英国のチャールズ皇太子、故李秉喆(イ・ビョンチョル)三星(サムソン)会長の服を作った「チャンミラサ」のイ・ヨンウォン代表は、服を銀の彫り物、人を金のりんごにたとえた。服が華やかすぎてもだめで、洗練されたしとやかな美を通じて人を引き立てなければならないという哲学だ。米大統領候補だったヒラリー・クリントン氏は、米国を代表するブランド、ラルフローレンのスーツを着てアメリカン・ドリームのイメージを強調した。一方、朴槿恵(パク・クンへ)大統領は看板もないサンプル室で非専門家が「陰の実力者」の指示で作った服を着て海外を歴訪した。銀の彫り物の節制や金のりんごの品格が醸し出されたのか疑わしい。

◆7日、国会の崔順実(チェ・スンシル)国政調査に出席したコ・ヨンテ氏は、1500万ウォン相当のカバン、3000万ウォン相当の服を大統領に渡し、崔順実被告が自分の財布から金を払ったと証言した。朴大統領に渡った服は370着で、これを清潭洞(チョンダムドン)の衣装室の相場で換算すれば7億ウォンを超えるという推計まで出た。崔被告が恩恵を望んで大統領のために服やカバンを買ったのなら、金額に関係なく5年以下の懲役または10年以下の資格停止になる贈賄罪が成立する。

◆大統領府は8日、洋服の代金について「用途に合わせて正確に支給した」と釈明した。大統領の個人用もあり公式行事用もあるという説明は、私費と大統領府の公式経費が資金出処ということだ。しかし、高価な洋服代を私費で充てたとすれば、大統領の財産が毎年3億4000万ウォン増加した点を説明できない。公式経費で洋服代を払ったとすれば、民間人である崔被告が予算を執行したことになる。大統領府がお粗末な釈明で疑問だけ大きくしている。

洪守鏞(ホン・スヨン)論説委員legman@donga.com