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中国が「台湾封鎖」に空母と原潜投入、米は空母打撃群に「台湾海域監視」指示

中国が「台湾封鎖」に空母と原潜投入、米は空母打撃群に「台湾海域監視」指示

Posted August. 06, 2022 09:28,   

Updated August. 06, 2022 09:28

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「中国がカエルを茹でている」

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は4日(現地時間)、中国の台湾封鎖訓練について、「中国が緊張を高めており、この程度の緊張強度を維持し、少なくとも(封鎖)作戦を定期的に行う狙いがある」と強調した。「茹でガエル」とは、カエルはいきなり熱湯に入れると驚いて逃げ出すが、常温の水に入れて水温を上げていくと逃げ出すタイミングを失い最後には死んでしまうという意味だ。

中国が、台湾を防衛しようとする米国の介入を遮断する軍事的挑発を強めつつ、これを定例化し、長期的に続けて台湾を孤立させ、台湾を武力で統一する考えを今回の訓練で表わしたということだ。

カービー氏は、中国のこのような軍事挑発を「ニューステータスクオ(新たな現状)を設定し、ニューノーマル(新常態)化しようとしている」と指摘した。また、「米国はこのような新たな現状を受け入れないことを明確にする」と強調した。中国の挑発の定例化を軍事的手段を動員してでも容認しない考えを明らかにしたのだ。

中国は、今回の訓練に原子力潜水艦が含まれた空母打撃群も初めて参加し、米空母抑止訓練を行うと公言した。米国も近く空母打撃群を台湾海峡に進入させる武力示威を行う可能性を示唆し、米中衝突の可能性が排除できなくなった。

●中国の「台湾封鎖」、日常化の恐れ

中国は、「台湾封鎖」訓練2日目の5日にも、中国と台湾の実質的境界線と見なされている「台湾海峡中間線」を無力化した。

台湾国防部は同日、中国軍の戦闘機と軍艦が中間線を侵犯したと明らかにした。その一方で、「『戦いを誘導しない(不求戦)』の原則で衝突を避け、国家主権を断固として守護する」と明らかにした。中国の狙いどおり中間線が無力化されたと分析されている。

中国の台湾包囲訓練で、台湾軍の活動半径が大幅に縮小し、米国の懸念どおり台湾封鎖状況が「新常態」になりつつある。日本国際問題研究所(JIIA)の小谷哲男主任研究員は、「このような種類の大規模訓練が今後数年間、日常化される可能性がある」と米紙ニューヨーク・タイムズに明らかにした。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルも、「中国の今回の訓練は、米国の直接介入と国際社会の大きな反発を招く『台湾侵攻』よりも、日常的に台湾に圧力をかける『封鎖』状況を念頭に置いたもの」と分析した。同紙は、「訓練が終わった後も中国軍が台湾付近に残留したり訓練を日常化したりする場合、台湾を崩壊させる道具になる可能性がある」と指摘した。ニューヨーク・タイムズは、「中国が弾道ミサイル5発を日本の排他的経済水域(EEZ)に落としたことは、米国と日本に対して介入するなという明確な警告メッセージ」との見方を示した。

●米、台湾海峡での武力示威を予告

カービー氏は、中国による台湾封鎖の「新常態」を受け入れないことを明確にし、「米国は中国が選択した行動に対して準備ができている。数週間内に(軍艦と戦闘機が)台湾海峡と上空を通過するだろう」と明らかにした。

このため、米軍の台湾海峡通過が、今回の台湾海峡危機の新たな分岐点になるとみられている。

1996年の第3次台湾海峡危機の時、中国が台湾海峡で実射撃訓練を行うと、米国は空母2隻を含む打撃群が台湾海峡を通過する武力示威を行った。中国軍は特に対応しなかった。

しかし、中国は今回の訓練で、有事の際に米軍の空母進入を阻止するために空母「遼寧」と「山東」だけでなく「空母キラー」と呼ばれる極超音速ミサイル「東風(DF)17」も参加させた。中国の人民日報系の英字紙グローバル・タイムズは5日、「中国軍は今回の訓練で海上立体作戦体系を構築し、初めて空母打撃群抑止訓練を行った」と報じた。


金祺容 kky@donga.com