Go to contents

猛暑と供給難重なり、今夏に世界的な電力難と電気代の高騰 ブルームバーグ通信が予測

猛暑と供給難重なり、今夏に世界的な電力難と電気代の高騰 ブルームバーグ通信が予測

Posted June. 06, 2022 09:34,   

Updated June. 06, 2022 09:34

한국어

ロシアのウクライナ侵攻とこれにともなう西側のロシア制裁、新型コロナウイルス感染症のパンデミック後の需要急増と異常気候が重なり、今夏は世界的な電力難と電気代の高騰が懸念されるという指摘が出た。

4日(現地時間)、ブルームバーグ通信によると、世界の発電所は戦争や干ばつ、供給難により、数十年ぶりの危機に直面するとみられる。特に夏場に冷房需要が大きくなる北半球は、電力供給が円滑でないと予測され、多くの命が危険にさらされる可能性があるという。ブルームバーグは、「赤道周辺地域の居住者や貧困層、高齢層ほど脆弱だ」と伝えた。

猛暑は、春から猛威を振るっている。インド南部とパキスタンの一部都市は、日中の最高気温が50度を超えている。急増する電気需要に耐えられなかった南アジア諸国では停電が繰り返され、約10億人が被害を受けている。インド政府は、全体28州のうち16州で、7億人以上が1日に2~10時間の停電を経験していると明らかにした。

米国も先月21日、テキサス州サンアントニオが38.33度、ミシシッピ州のビックスバーグが36.67度で、5月の過去最高気温を更新した。米国立海洋大気局は、6月から8月にかけて北部の一部を除く米国の48州で平年より暑いと予測し、北東部と西部の一部は高温乾燥すると予測した。干ばつが激しくなれば、水力発電所の稼働率が下がり、電力不足事態も懸念される。米電力信頼度公社(NERC)は今夏、米人口の40%が電力難に見舞われる恐れがあると警告した。

原油高で世界主要国が相次いで電気代を引き上げている。フランスは2月に24.3%、英国は4月に54%をそれぞれ引き上げた。日本も、昨年から累積で34.6%を引き上げた。ブルームバーグのアナリスト、サンタヌ・ザイスワル氏は、「(ウクライナ)戦争とロシア制裁によるエネルギー需要および供給かく乱、極端な天候と抑えられていた需要爆発などが前例なく一度に重なっている」と述べた。

国内でも最近、電力需要が急増し、安定的な電力需給をめぐる懸念の声が出ている。電力取引所によると、先月の電力需要は5月基準で過去最高だった。電力供給予備率(供給電力のうち使用後に残った電力の割合)も、先月23日基準で12.4%まで下がり、年中最低を記録した。業界では安定的な電力供給基準を、通常予備電力は1万MW(メガワット)、供給予備率は10%程度と見ている。本格的な猛暑が始まれば、供給予備率が一桁に下がることもありうる。供給予備率が一桁に落ちた昨年7月、全国が非常事態になった。


キム・ミン記者 世宗市=キム・ヒョンミン記者 kimmin@donga.com · kalssam35@donga.com