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幕を閉じた「基準金利0%時代」、差し迫った負債の衝撃に備えるべきだ

幕を閉じた「基準金利0%時代」、差し迫った負債の衝撃に備えるべきだ

Posted November. 26, 2021 08:37,   

Updated November. 26, 2021 08:37

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韓国銀行(韓銀)・金融通貨運営委員会(金通委)が昨日、基準金利を1%へと引き上げ、昨年3月以降20ヵ月間続いていた「0%台の基準金利時代」が幕を閉じた。韓銀が来年に1、2回利上げすると予想され、「ゼロ金利」を維持している米国も、基準金利の引き上げ時期を繰り上げられる可能性が高まっている。新型コロナの発生後続いてきた各中央銀行の拡張的通貨政策が、緊縮の方へ180度変わるのだ。

韓銀は、低金利と過剰流動性のため物価が上昇し、家計と企業の負債も危険なレベルに達したものとみている。先月の消費者物価は、9年9ヵ月ぶりに3%台に上昇し、物価安定目標の2%を大幅に上回っている。金融当局の総量規制にもかかわらず、不動産融資が増えたことで、9月末の家計信用(家計融資+クレジットカード使用額)規模は1844兆9000億ウォンで、昨年の国内総生産(GDP)を上回った。韓国のGDP比家計信用の割合は104.2%で、主要37カ国の中で1位だ。新型コロナで経営が悪化した中小企業、自営業者らの5大銀行融資規模も1年前より10%も急増した。

高騰する物価を抑制し、不動産、株式などの資産価格のバブルがさらに膨らむのを防ぐため、基準金利の引き上げは避けられない面がある。昨日、韓銀の李住烈(イ・ジュヨル)総裁が来年初めに追加利上げの可能性までほのめかしただけに、住宅や株式を買うために無理に融資を受けることは危険になった。すでに年利6%に迫る住宅ローンの返済のため、財布の紐を引き締めている世帯が少なくない。基準金利が0.25%上がれば、韓国の家計は年間2兆9000億ウォンの利息負担をさらに負わなければならない。過度な借金を抱えている中小企業、自営業者らの厳しさも増すばかりだ。

ただ、懸念されるのは、現在の物価上昇が過剰流動性のみならず、グローバル供給網のボトルネック現象、各国のエコ政策への転換、米中経済対立など、海外の構造的要因から発生したことだ。基準金利を引き上げても物価上昇は続き、家計・企業の利子負担だけが大きくなる可能性がある。コロナの感染者が急増し、段階的日常回復(ウィズコロナ)まで壁にぶつかれば、景気が急速に冷え込む可能性がある。

このようなことを考慮し、韓銀は実体景気の流れをきめ細かく見極めながら、基準金利の引き上げ速度を慎重に決定しなければならない。政府も、脆弱階層や企業に降りかかる金利引き上げの衝撃に備え、不要不急の支出は自制しつつ、財政余力を残さなければならない。