
「ボンのコーチが、ボンがヘリコプターの中から私を応援している、と伝えてくれた」
8日、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪のアルペンスキー女子滑降で金メダルを獲得したブリージー・ジョンソン(30・米国)は、イタリア・コルティナダンペッツォのトファーネ・アルパインスキーセンターで開かれた記者会見で、こう語った。スタート13秒で転倒し、大けがを負った「スキーの女王」リンゼイ・ボン(42・米)は、ヘリで搬送されながらも、米国代表の仲間への応援を続けていたという。
ジョンソンは同日、1分36秒10で初の五輪金メダルを手にした。ジョンソン自身も、ボンと同じくこのスキー場で苦い経験をしている。トファーネ・アルパインスキーセンターでの練習中に膝を負傷し、2022年北京冬季五輪への出場を断念した過去がある。ジョンソンは「夢が折れる感覚が、どんなものかは分かっている」と話した。
ボンは、コルティナのコディビッラ・プッティ病院の集中治療室で治療を受けた後、トレヴィーゾのカ・フォンチェッロ病院に移送された。同病院は声明で、「左脚の骨折を安定させるため、整形外科手術を受けた」と明らかにした。米国スキー代表は「容体は安定している」と発表した。
ボンの愛称の一つは「コルティナの女王」だ。五輪が行われたコースだけで、国際スキー・スノーボード連盟(FIS)ワールドカップ12勝を挙げている。コースを熟知しているボンだが、今大会では、盛り上がった形状のバンプ(こぶ)を攻略できなかった。
AP通信によると、このコースでは、選手たちは断崖の間を通過し、時速130キロに達する「トファーナ・シュース」区間を通る。レースの安定性を左右するのは、その直前のターン地点で、ここには跳ね上がる形状の斜面が設計されている。ボンはこの地点で身体が宙に浮き、旗門に触れてバランスを失った。ノルウェーのカイサ・ビクホフ・リー(28)は「この区間は常にでこぼこだが、今年は最後のバンプが特に大きかったように感じた」と話した。FISチーフ・レース・ディレクターのピーター・ゲルドル氏は「バンプは例年と大きく変わらなかった」としつつ、「五輪メダルが懸かる舞台であり、ある程度の挑戦性は必要だ」と話した。
前十字靱帯断裂と診断されながら五輪出場を強行したボンが、衝撃的な負傷で大会を終えることになり、回復を願う声が相次いでいる。親交の深いテニス界のスター、ラファエル・ナダル(40・スペイン、引退)は、X(旧ツイッター)に「あなたは忍耐の象徴だ。早い回復を祈っている」と投稿した。国際オリンピック委員会(IOC)のカースティ・コベントリー会長は「ボンは永遠のオリンピックチャンピオンだ」とたたえた。
ハン・ジョンホ記者 hjh@donga.com






