
昨年12月16日(現地時間)、米カリフォルニア州シリコンバレー近郊のマウンテンビューにあるロボット系スタートアップ「ダスティ・ロボティクス」。清掃ロボットのような小型機が、白い床の上を忙しく行き交っていた。ロボットが通過した跡には、建物の外形や配管の位置などを示した設計図が描かれ、その上に英語、スペイン語、韓国語など複数の言語による施工案内が刻まれていく。国籍の異なる現場作業員たちは、言語の壁に煩わされることなく作業を進めていた。
このロボットは、米国の大手建設会社やデータセンター、集合住宅などで活用されている。建設人材の不足を解消するために生まれたこの技術は、人が手作業で設計図を描いていた従来の方法に比べ、業務効率を数倍に高めた。ジャック・ライス・デービス首席ディレクターは「ロボットが正確に設計図を描いてくれれば、人は施工そのものに集中できる」と語った。
建設ロボット技術が実用化されるまでには、シリコンバレー特有の「革新金融」が強力な燃料となった。現地の起業家たちは「投資家は創業初期の2~3年は、収益を問わず後押ししてくれる」と口をそろえる。シリコンバレーの金融エコシステムには、「一本のホームランのために99回の失敗を受け入れる」という文化が早くから根付いている。
こうした革新金融の土壌で育ったグーグルやアップルといった巨大IT企業は、米国株式市場を支える柱となった。米国株が最近3年連続で20%台の上昇を続け、堅調な成長を遂げている背景にも、革新金融に育てられた革新企業の活躍がある。一方、革新金融の基盤が脆弱な国内では、限界を感じた起業家だけでなく、投資先を探す金融機関までもがシリコンバレーへと向かっている。






