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ハンファ首脳「韓米の原潜合意、AUKUSより円滑」 並行建造にも自信

ハンファ首脳「韓米の原潜合意、AUKUSより円滑」 並行建造にも自信

Posted December. 27, 2025 11:45,   

Updated December. 27, 2025 11:45


「韓米間の原子力潜水艦(原潜)合意は、米英豪による安全保障協力の枠組み『AUKUS(オーカス)』と全く同じではないが、多くの面でより円滑に進むだろう」

ハンファグループのグローバル最高戦略責任者(CSO)アレックス・ウォン氏は、東亜(トンア)日報とのインタビューで「韓米間には一致した政治的方向性と政策的意思があり、利害も合致している」と述べた。オーストラリアはAUKUS協定を通じて米国から原潜の供与を受けることで合意し、別途協定により軍用特殊核物質の移転を認められた。韓国も最近、米国と原潜導入のための別途協定を推進することで合意しており、ウォン氏は、韓国がオーストラリアより迅速に原潜の燃料供給など主要手続きを進められるとの見方を示した。

いわゆる「韓米並行原潜建造案」については、「十分に可能なアプローチだ」としたうえで、「韓米両政府がそう決定すれば、ハンファは実行する準備ができている」と述べた。この案は、韓国向け原潜は国内で建造し、米国向け原潜は韓米造船協力プロジェクトである「MASGA」基金を活用して、ハンファのフィリー造船所などで建造するというシナリオだ。

ウォン氏は、第2次トランプ政権初期に大統領副補佐官(国家安全保障担当)を務め、国家安全保障政策の調整を実務的に統括した。第1次トランプ政権では、米国務省の対北朝鮮政策特別副代表として活動し、2019年の米朝板門店(パンムンジョム)首脳会談など米朝対話にも深く関与した。インタビューは米東部時間基準で18日と24日に、それぞれオンラインと書面で行われた。

●「韓国の原潜は北東アジアで強力な抑止力に寄与」

ウォン氏は「国際関係で最も強い拘束力は、その行動が両国の利益に合致する場合に生まれる」と述べ、「原潜合意は韓米双方に利益をもたらす」と強調した。さらに「韓国は原潜保有により軍事能力を強化し、侵略に対する抑止力を高められる」とも指摘した。米国の立場からも、韓国の原潜導入は「同盟国の能力を強化し、北東アジアの平和と繁栄の維持に資する措置」と述べ、中国海軍力の抑制などの観点からトランプ政権が承認した可能性を示唆した。トランプ政権が最近公表した国家安全保障戦略(NSS)でも、第1列島線(九州~沖縄~台湾~フィリピン)と台湾を中国から防衛することが主要目標の一つに掲げられている。

トランプ大統領が承認した韓国原潜建造を具体化するため、「韓米当局間で詳細な履行策を巡る外交協議が進められている」とし、韓米合意はオーストラリアの事例より円滑に進むとの見通しを示した。「核心課題は核燃料の濃縮サイクル、すなわち原子炉燃料をどう確保するかだ。現在、韓米両政府がその履行案を協議している」と伝えた。

ウォン氏は、米国にとって造船産業の再興は「安全保障・戦略的効果」が大きいと指摘した。「米国は過去70年間、世界最強の海軍を維持しようとしてきた。海軍関連の産業基盤の維持・再建には、明確な戦略的・軍事的利害がある」と説明し、「米国は韓国、日本など同盟国とともに国家能力の要素を強化し、平和を維持しようとしている」と述べた。韓米造船協力は、経済・産業面にとどまらず、中国との覇権競争も視野に入れた国家安全保障と直結する課題だとの認識だ。

●「韓国で米戦闘艦を建造する選択肢も」

ウォン氏は「トランプ政権は先端製造技術、納期順守、生産効率の面で韓国造船業を非常に高く評価してきた」とし、「ハンファを含む韓国の造船所は、すでに米海軍艦艇の整備・修理・オーバーホール(MRO)に参加している。将来的には非戦闘艦の生産や共同生産、長期的には戦闘艦の建造まで複数の選択肢があり得る」と述べた。

米艦艇の海外建造を禁じるバーンズ・トレフソン法など現行法の制約については、「米政府、国家安全保障コミュニティ、議会全体で『その線引きをどこに置くのか』の議論が進んでいる」とし、迂回的解決の可能性を示唆した。

トランプ氏が22日に「黄金艦隊」構想を発表し、フリゲート艦などの生産でハンファと協力すると明言した点については、「ハンファは米海軍に必要なあらゆる戦力要素を建造できる専門性と能力を備えている」と自信を示した。

アレックス・ウォン(45)

ハンファグループ グローバル最高戦略責任者(CSO)

△ 米ペンシルベニア州立大学卒業、ハーバード大学ロースクール修了

△ 2017~2018年 米国務省東アジア・太平洋担当次官補

△ 2018~2021年 米国務省対北朝鮮政策特別副代表

△ 2020~2021年 米国務省国連担当特別政治担当次席大使

△ 2025年1~6月 米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)副補佐官

△ 2025年9月~現在 ハンファグループ・グローバルCSO


申晋宇 niceshin@donga.com