
韓国国内の主要企業が、慶尚北道慶州市(キョンサンプクト・キョンジュシ)で開かれた「2025アジア太平洋経済協力会議(APEC)の最高経営責任者(CEO)サミット」で、革新技術と未来ビジョンを公開し、技術外交に乗り出した。三星(サムスン)電子は、画面が二度折れる「トライフォールドフォン」の実機を初公開し、現代(ヒョンデ)自動車は新型水素電気自動車「ディ・オール・ニュー・ネッソ」を展示し、グローバル企業人や外交使節から注目を集めた。
三星電子は28日、慶州市エキスポ公園のエアドームで開かれたAPEC・CEOサミットの付帯行事「K-テックショーケース」で、トライフォールドフォンを展示した。実機が外部に公開されたのは今回が初めてで、31日まで展示される予定だ。ただし、ガラス展示館を通して実機を見ることはできるが、直接触れたり操作したりすることはできない。
トライフォールドフォンは三星電子の次世代革新モバイル製品で、一度折るフォルダブルフォンからさらに進化した。折りたたむと6.5インチ(対角)程度だが、開くとタブレットに近い10インチ程度の大画面になる。今年7月に発売されたギャラクシーZフォールド(8インチ)より2インチほど大きい。今回の展示では、折れた製品と開いた製品を並べて展示し、サイズの差を比較できた。三星電子は早ければ、来月末に開かれるトライフォールドフォンの発売イベントで詳細仕様を公開するとみられる。
三星電子が、世界から注目が集まるAPECの舞台で、最先端技術を適用したトライフォールドフォンを公開したのは、自社技術力への強い自信の表れと解釈される。グローバルなフォルダブル競争が一層激化する状況で、一歩先行する新製品を披露し、モバイル分野での技術覇権を固める意志を示したとの評価だ。
現代自動車グループは、水素電気自動車と目的ベース車両(PBV)、ロボティクス事業を紹介した。慶州芸術の殿堂では、次世代水素電気自動車「ディ・オール・ニュー・ネッソ」を展示した。今年6月に発売された同車は、現代自が2018年以来7年ぶりに発表した乗用水素電気自動車ネッソのフルモデルチェンジ版だ。
起亜(キア)のPBV初の電動化モデル「PV5」と、PBVモジュール交換技術「イージースワップ」の動作模型も披露した。また、自動車製造工程で実際に活用されている「駐車ロボット」と小型モビリティロボットプラットフォーム「MobED」も展示した。会場には、四足歩行ロボット「スポット」を自由に移動させ、来場者から注目を集めた。
LG電子は、世界初の無線・透明テレビ「LGシグネチャーオレッドT」で作った超大型シャンデリアを通して革新技術を紹介する。シャンデリアは、77型シグネチャーオレッドT28台で光を円形に囲む形で、来場者は360度どの方向からも映像を鑑賞できる。LG電子は、慶州芸術の殿堂2階のロビーにも展示ブースを設け、モーター・コンプレッサーなど数十年間積み上げてきたコア部品技術に人工知能(AI)を応用した「AIコアテック」を披露した。
SKイノベーションは、APEC参加者の移動用に燃料電池シャトルバス20台を投入した。慶州と釜山(プサン)、浦項(ポハン)など慶尚圏の主要都市を結ぶ燃料電池バスを運行し、移動の利便性を高める構想だ。今回の燃料電池シャトルバスの支援を通じて、燃料電池エコシステムの競争力と環境適合性をグローバル舞台で積極的にアピールする計画だ。
イ・ドンフン記者 dhlee@donga.com






