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孤独な航海の始まり

Posted July. 03, 2025 08:46,   

Updated July. 03, 2025 08:46


芸術家として生きるということは、毎日勇気を出すことだ。その人生は恐ろしいが、あきらめない挑戦の繰り返しだ。自分の確信がなければ、絶対に進みづらい道だ。すべての芸術家には無名時代があるものだ。「航海」(1911年・写真)は、無名のエドワード・ホッパーが芸術家の道に進むことができるよう勇気と確信を与えた作品だ。

ホッパーは1913年、米ニューヨークで開かれた「アーモリーショー」で生涯初の絵を売った。作品の値段は250ドル。若い画家にはかなりの金額だった。その作品がまさに「航海」だ。31歳のホッパーは当時、自分の絵のスタイルを見つけることができなかった。その上、作品が売れず、連日挫折を味わっていた。そんな彼にとって、作品の販売は、単なる経済的収益以上を意味した。芸術家の道を続けてもいい、という確信を与えた航海の始まりだった。

絵の中の背景は、米マサチューセッツ州にあるケープコッド海岸だ。ホッパーが、大都市での生活に疲れたときや、芸術的インスピレーションを得るために、夏ごとによく訪れていた場所だ。絵には、青い空を背景にヨットが白い帆を靡かせて海を横切る姿が速い筆遣いで描写されている。低く描かれた水平線は、濃い海水と明るい空を鮮明に区分する。船に乗った人物は、細部描写が果敢に省略されており、存在がほとんど現れない。その代わり、鑑賞者の想像に任せる。一見すると、平和でロマンチックな海上風景のようだが、船の中は彼らが感じる緊張感や孤独感、恐怖に満ちているかもしれない。

最初の作品が売れたとき、ホッパーはきっと喜んだことだろう。無名生活をすぐに終わらせることができるという期待も抱いたはずだ。しかし、持続的な作品販売と成功は、それからさらに10年待った後にようやく訪れた。結婚後、妻の支援と広報のおかげで、彼は初めて孤独の言語で自分の芸術世界を創造し、より大きな芸術的航海を継続することができた。