「分断」を先導する尹大統領、国民統合委員会はなぜ作ったのか
Posted March. 28, 2025 09:23,
Updated March. 28, 2025 09:23
「分断」を先導する尹大統領、国民統合委員会はなぜ作ったのか.
March. 28, 2025 09:23.
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「大統領に非常に怒っている」国民統合委員会関係者は昨年12月、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対する弾劾訴追案が国会で可決された後、記者にこう語った。尹大統領の「12・3非常戒厳」宣布に対する当惑と失望感、政局の混乱が深刻化し、社会対立が深まることに対する不満が込められていた。キム・ハンギル国民統合委員長は27日、中小企業と大企業の二極化解消のための討論会で、「広場の声が大きくなるにつれ、それと比例して国民統合が必要だという声も出ている」とし、「国民統合委員会という看板を掲げている私たちの委員会で、こんな時にできることは何か、最近真剣に悩んでいる」と述べた。非常戒厳以降、統合のための役割を検討しているということだ。しかし、弾劾賛成と反対で国民を分断させている大統領の前では、空虚な印象は拭えない。尹大統領は大統領選挙の翌日の2022年3月10日、当選の挨拶で国民が自身を選んだ理由について、「国民を分断させず、統合の政治を行えという国民の切実な訴え」と述べた。尹大統領は、自身のメンターと呼ばれたキム氏をトップとする国民統合委員会を大統領直属の第1号委員会に設置し、統合の意思が口先だけではないことを強調した。尹大統領は就任初年度、光州(クァンジュ)で開催された5・18民主化運動記念式典に出席し、「大韓民国の国民は皆、光州市民だ」と述べた。しかし、尹大統領は初心を忘れ、統合とは反対の方向に突き進んだ。尹大統領は23年の光復節での演説で、「共産全体主義に盲従し、捏造扇動で世論を歪曲し、社会を攪乱する反国家勢力が依然として跋扈(ばっこ)している」と述べ、反国家勢力という表現を初めて使用した。翌年の光復節記念式は、独立記念館長の人事に反発した光復会が政府行事に参加しなかったため、初めて別々に記念式が開催された。尹大統領の非常戒厳宣布後に起きた国民分裂の様相は周知の通りだ。対立は極に達し、尹大統領の言動はますます「分断」の様相を呈している。尹大統領は8日、拘束取り消し当日にも国民に向けたメッセージはなく、弾劾反対を叫んだ自身の支持層への感謝だけを示した。25日には、憲法裁判所の前で28日間ハンストしている支持者に電話をかけ、「健康でなければ国を正すことを共にできない」とハンストを止めさせた。しかし、ハンストをして病院に運ばれた金慶洙(キム・ギョンス)前慶尚南道(キョンサンナムド)知事はもとより、広場に集まり尹大統領の罷免を求める国民に対しては何のメッセージもない。尹大統領のメッセージは、両陣営の結束と対立を煽っている。与党議員は憲法裁が弾劾を認容する場合、「憲法裁を焼き払わなければならない」と叫び、野党議員は「尹錫悦斬首」の刀の模型の前で記念写真を撮り、群衆心理に乗じた。政治扇動が横行し、ソウル西部地裁への暴力乱入事件など、物理的な暴力事態に発展している。両陣営の対立が憲法裁の弾劾審判宣告日に最高潮に達し、最大の暴力事態につながるのではないかと懸念する声もある。広場に出てきた市民が再び日常に戻り、分断された民心を癒し、統合させることが、指導者として「国を正すこと」ではないだろうか。尹大統領が今からでも当選の挨拶で叫んだ「統合の政治」を回復することを期待する。
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「大統領に非常に怒っている」
国民統合委員会関係者は昨年12月、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対する弾劾訴追案が国会で可決された後、記者にこう語った。尹大統領の「12・3非常戒厳」宣布に対する当惑と失望感、政局の混乱が深刻化し、社会対立が深まることに対する不満が込められていた。
キム・ハンギル国民統合委員長は27日、中小企業と大企業の二極化解消のための討論会で、「広場の声が大きくなるにつれ、それと比例して国民統合が必要だという声も出ている」とし、「国民統合委員会という看板を掲げている私たちの委員会で、こんな時にできることは何か、最近真剣に悩んでいる」と述べた。非常戒厳以降、統合のための役割を検討しているということだ。しかし、弾劾賛成と反対で国民を分断させている大統領の前では、空虚な印象は拭えない。
尹大統領は大統領選挙の翌日の2022年3月10日、当選の挨拶で国民が自身を選んだ理由について、「国民を分断させず、統合の政治を行えという国民の切実な訴え」と述べた。尹大統領は、自身のメンターと呼ばれたキム氏をトップとする国民統合委員会を大統領直属の第1号委員会に設置し、統合の意思が口先だけではないことを強調した。尹大統領は就任初年度、光州(クァンジュ)で開催された5・18民主化運動記念式典に出席し、「大韓民国の国民は皆、光州市民だ」と述べた。
しかし、尹大統領は初心を忘れ、統合とは反対の方向に突き進んだ。尹大統領は23年の光復節での演説で、「共産全体主義に盲従し、捏造扇動で世論を歪曲し、社会を攪乱する反国家勢力が依然として跋扈(ばっこ)している」と述べ、反国家勢力という表現を初めて使用した。翌年の光復節記念式は、独立記念館長の人事に反発した光復会が政府行事に参加しなかったため、初めて別々に記念式が開催された。
尹大統領の非常戒厳宣布後に起きた国民分裂の様相は周知の通りだ。対立は極に達し、尹大統領の言動はますます「分断」の様相を呈している。尹大統領は8日、拘束取り消し当日にも国民に向けたメッセージはなく、弾劾反対を叫んだ自身の支持層への感謝だけを示した。25日には、憲法裁判所の前で28日間ハンストしている支持者に電話をかけ、「健康でなければ国を正すことを共にできない」とハンストを止めさせた。しかし、ハンストをして病院に運ばれた金慶洙(キム・ギョンス)前慶尚南道(キョンサンナムド)知事はもとより、広場に集まり尹大統領の罷免を求める国民に対しては何のメッセージもない。
尹大統領のメッセージは、両陣営の結束と対立を煽っている。与党議員は憲法裁が弾劾を認容する場合、「憲法裁を焼き払わなければならない」と叫び、野党議員は「尹錫悦斬首」の刀の模型の前で記念写真を撮り、群衆心理に乗じた。政治扇動が横行し、ソウル西部地裁への暴力乱入事件など、物理的な暴力事態に発展している。両陣営の対立が憲法裁の弾劾審判宣告日に最高潮に達し、最大の暴力事態につながるのではないかと懸念する声もある。
広場に出てきた市民が再び日常に戻り、分断された民心を癒し、統合させることが、指導者として「国を正すこと」ではないだろうか。尹大統領が今からでも当選の挨拶で叫んだ「統合の政治」を回復することを期待する。
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