Go to contents

500人死亡のガザ病院惨事、「中東戦争」の新たな導火線

500人死亡のガザ病院惨事、「中東戦争」の新たな導火線

Posted October. 19, 2023 08:39,   

Updated October. 19, 2023 08:39

한국어

バイデン米大統領のイスラエル訪問直前の17日(現地時間)夜、パレスチナのガザ地区の病院が空爆を受け、少なくとも500人が死亡した。イスラム組織ハマスは、「イスラエルの大量虐殺」と非難し、イスラエルは「(別の武装組織)イスラム聖戦(PIJ)の仕業」と反発するなど、攻防が激化している。

この影響で、当初18日にヨルダンの首都アンマンでバイデン氏と会談し、イスラエルとハマスの武力衝突の解決策を話し合おうとしたパレスチナ自治政府(PA)のアッバス議長、ヨルダン国王のアブドラ2世、エジプトのシシ大統領は会談を取り消した。中東と北アフリカの反イスラエル・反米デモも拡大し、バイデン氏の武力衝突拡大防止構想は最初の一歩を踏み出すこともできない。

17日、ガザ地区保健省は同日夜、ガザ市のアル・アハリ病院に対するロケット砲爆撃で、患者や難民など500人以上が死亡したと明らかにした。負傷者も少なくとも数百人で、これとは別に相当数の市民が建物の瓦礫の下敷きになっているという。7日のイスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃後に続いたイスラエルの空爆と物資の遮断のため、ガザ地区内の救助が難しく、死傷者は増えるものとみられる。

ハマスは今回の空爆を前例のない大量虐殺と規定し、「これ以上沈黙することはできない」と報復を表明した。これまでハマスを非難していたアッバス議長も3日間の追悼期間を宣言し、アンマンからPAが支配するヨルダン川西岸地区に急遽帰国した。

イスラエルは今回の爆撃が、ハマスより強硬な反イスラエルのPIJのロケット発射の失敗によるものだと主張した。イスラエルのネタニヤフ首相は、「病院を攻撃したのはイスラエル軍ではなく、野蛮なテロリスト」と述べ、PIJによるものだと繰り返し主張した。イスラエル側は、今回の攻撃がイスラエルとは無関係であることを証明するための調査も行う計画だ。

バイデン氏は出国前に声明を出し、「病院の爆発に怒りを覚え、深い悲しみを感じている」と言及した。しかし、ハマスの排除は支持するが、民間人の被害と戦闘拡大の懸念が大きい占領には反対すると一種の「ガイドライン」を提示し、イスラエルとヨルダンで直接解決策を模索するというバイデン氏の構想が、大規模な惨事と4ヵ国会談の取り消しで、第一歩からつまずきを見せた格好だ。バイデン氏が遠い中東まで行って手ぶらで帰ってくるのではないかという懸念が広がっている。

大規模な民間人の犠牲に対する国際社会の批判も大きくなり、ガザ地区への地上部隊投入のタイミングを見計らっていたイスラエルも大きな苦悩に陥っている。


ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 イ・チョンア記者 weappon@donga.com