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「現場には交通警察官が数人だけ」「狭い空間、備えできず」 海外メディア報道

「現場には交通警察官が数人だけ」「狭い空間、備えできず」 海外メディア報道

Posted October. 31, 2022 08:52,   

Updated October. 31, 2022 08:52

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海外の主要メディアは29日、ソウル梨泰院(イテウォン)で発生した雑踏惨事を一斉にトップニュースで報じた。特に、新型コロナウイルス感染症の防疫基準緩和後の初のハロウィーンであるため、多くの人が集まると予想されたにもかかわらず、秩序を維持するための警察官がいなかったという現場取材を基に、事故予防対策が不十分だったと指摘した。

ニューヨークのジョンジェイ刑事司法大学のブライアン・ヒギンズ教授は、米紙ニューヨーク・タイムズに、「主催側が明確でないイベントは統制が難しい」としながらも、「人が多くなれば、出口の標識や交通手段などの案内が円滑に行われなければならない。(今回の事件の時)何も適材適所になかったようだ」と指摘した。6年間ソウルに暮らすスペイン出身のマルコ・モレリさんは、米紙ワシントン・ポストに、「地下鉄6号線の梨泰院駅と緑莎坪(ノクサピョン)駅近くで交通警察官を数人見たのが全て」とし、「ハロウィーンを迎え、警察の制服を着た人が多く、混乱を大きくした」と伝えた。ニューヨーク・タイムズは、「韓国は数十年間、政治的デモなど大規模集会を統制してきた経験がある国」とし、「最近の政治(集会)では警察官がデモ隊より多いが、今回の惨事とは対照的な姿」と皮肉った。

事故現場を目撃した市民たちも「警察官が不十分だった」と証言した。現場から辛うじて脱出したキム・ソジョンさん(17)は、ニューヨーク・タイムズとの電話インタビューで、「傾斜になった道で前後で人々が『押せ!』と叫び、私も押されて倒れた」とし、「悲鳴を上げたが、音楽に埋もれて聞こえなかった。警笛が鳴り、駆けつけた数人の警察官が人々を統制しようとしたが、役に立たなかった」と語った。

路が狭い梨泰院の特性上、事前準備を徹底しなければならないという指摘もあった。2020年の東京での夏季五輪の警備責任者だった米村敏朗元警視総監は30日、朝日新聞のインタビューで、「国際イベント警備、要人警護なども難しいが、人が集まる雑踏警備ほど難しいものはない」とし、「狭い場所は事前に確認し、人が動く要因がないか徹底して準備しなければならない」と話した。また、「多くの人が集まったところでは、人の流れが突然変わると手がつけられない」とし、「日本も東京渋谷で2018年のハロウィーンの時、若者たちがトラックを横転させる騒ぎが起こり、警察が警戒を強化している」と語った。

AP通信は、今回の梨泰院惨事が2014年に304人が死亡した「セウォル号惨事」後8年ぶりに発生した人命被害であると指摘し、「セウォル号事件後、政府が行ってきた公共安全改善策について調査を求める大衆の要求が続くだろう」と指摘した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、「韓国ではハロウィーンが(外国とは異なり)子どもがキャンディーをもらう休日ではなく、20代のパーティー好きが特別な衣装を着るクラブイベントに変質した」と伝えた。


ホン・ジョンス記者 東京=イ・サンフン特派員 hong@donga.com · sanghun@donga.com