Go to contents

収穫する女たち

Posted December. 30, 2021 08:29,   

Updated December. 30, 2021 08:29

한국어

50歳を指天命と呼ぶ。天命を知り、世の中の道理を悟る年という意味だ。メアリー・カサットも50歳になって新しい悟りを得た。そのおかげで、勇気を出して一度もやったことのない新しいテーマの絵に挑戦することができた。果たしてその挑戦は成功したのだろうか。

カサットは、フランスの印象主義展示に参加した唯一の米国人女性画家だ。20代でサロン展に入賞した実力派だったが、メンターであり同僚画家のエドガー・ドガの招待で、印象派のメンバーになった。19世紀、女性は正規の美術教育から排除されたため、高い価値を認められた歴史画や宗教画は男性だけの専有物だった。当時の多くの女性画家たちのように、カサットも母性愛や女性の些細な日常を描いた絵を主に描いた。

しかし、50歳の時に描いた「現代女性」は全く違う。1893年シカゴで開かれた世界コロンビア博覧会を記念する女性ビルの内部の壁画で、横が18メートルを超える大作だ。計3つのパネルで構成されているが、左には名声を求める女性が、右には音楽、舞踊など芸術に携わる女性たちが描かれている。中央のパネルには、エデンの園を連想させる果樹園で、上手に果物を摘む女性たちが描かれている。はしごの上に上がった女性が、幼い女の子に自分が取った実を渡している。これは知識と科学の実を次世代に伝える女性を象徴する。絵の中の女性たちは独立した人間で、男を破滅させるファム・ファタールでも、蛇の誘惑に負け、夫を堕落させる罪人でもない。女性たちも知識を積んで科学発展に寄与し、芸術を創造して名声を追求する人間であることを明確にしている。

壁画に対する反応はどうだったのだろうか。女性も男性と同じように実現できるという彼女の悟りは、当時の社会には受け入れがたいものだった。最も激しく批判したのは、メンターであったドガだった。博覧会直後、壁画は跡形もなく消えた。保管中にどこかで破壊されたと推測するだけだ。