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「核や長距離でなくて幸い」と言う宋永吉代表、北の狙いはこういう「精神勝利」だ

「核や長距離でなくて幸い」と言う宋永吉代表、北の狙いはこういう「精神勝利」だ

Posted October. 21, 2021 08:38,   

Updated October. 21, 2021 08:38

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与党「共に民主党」の宋泳吉(ソン・ヨンギル)代表が20日、ラジオ番組で、北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射について、「長距離ミサイル(発射)とさらなる核実験をしていないのは不幸中の幸い」と話した。また、「私たちのSLBMの成功に刺激を受けたのもある。対話の必要性がさらに高まった」とも述べた。北朝鮮メディアは、「側面軌道や滑空跳躍軌道など進化した操縦誘導技術が導入された新型のSLBM」とし、潜水艦発射の成功をアピールした。

宋氏が呆れ返る対北朝鮮発言で議論になったことは一度や二度ではない。昨年、北朝鮮が南北連絡事務所を爆破したことをめぐっても、「砲で(爆破)しなかった」と言った宋氏だ。先月、米国を訪れ、「米国は悪い行動には補償しないと主張してきたが、望ましい行動には補償が従わなければならないのではないか」と述べ、北朝鮮が2017年末以降、核と長距離ミサイル実験を自制しているため、開城(ケソン)工業団地の復旧のような相応の措置を検討するよう提案したこともある。

北朝鮮の発表どおりなら、今回発射した新型SLBMは密かな奇襲攻撃用というSLBMの威力を越え、飛行中にも左右、上下の動きが可能で、事実上迎撃が不可能なレベルだ。SLBMは最近開発に成功した韓国を除けば、核兵器保有国だけが持つ核弾頭装着用の戦略兵器だ。北朝鮮はこのような驚くべき兵器を不法に開発しながらも、正当な国防力の強化だと主張し、それを「挑発」と規定する韓米に対して「二重基準」と非難する。

にもかかわらず、韓国政府は北朝鮮の主張に納得するかのようにミサイル発射を「挑発」と規定していない。宋氏の発言は、そのような政府の低姿勢の延長線上にあり、さらに一歩踏み込んで北朝鮮の強引な主張を事実上、代弁している。強盗殺人犯の盗みは罪ではなく、強盗しないだけでも幸いだから賞を与えようという奇怪な論理だ。このようでは、現実逃避のために自分自身を欺く「精神勝利」と大差ない。北朝鮮の狙いも、そのような自暴自棄の合理化ではないだろうか。