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[社説]早まる米テーパリング、金利上昇・バブル崩壊に備えなければ

[社説]早まる米テーパリング、金利上昇・バブル崩壊に備えなければ

Posted September. 24, 2021 08:47,   

Updated September. 24, 2021 08:47

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米中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)が、国債などを買い入れて市場に供給していた流動性を減らす「テーパリング(資産買入縮小)」を、11月に開始すると予告した。テーパリングは自然に金利引上げにつながるため、米国のゼロ金利時代が近いうちに終わるという意味だ。8月に先制的に基準金利を引き上げた韓国銀行の行動にも、影響を及ぼさざるを得ない。

FRBは一昨日、「(物価、雇用で)予想通りの進展が続けば、資産買入速度の緩和がすぐに正当化されるだろう」と明らかにした。FRBのジェローム・パウエル議長も、「テーパリングは次の会議にすぐ来ることもありうる」と述べた。11月初め、連邦公開市場委員会(FOMC)会議でテーパリングの開始が決定して来年まで進み、早ければ来年下半期に金利引き上げが始まるという意味だ。テーパリングは、米経済が新型コロナショックから抜け出すという意味であり、必ずしも否定的なことではない。問題は、テーパリングが始まれば、リスクの高い新興諸国の金融市場の資金が引き潮のように流れ出しかねないことだ。世界的な金融危機の際に供給された流動性が回収され始めた2013年、実際にそのような出来事が起きた。

FRBの動きに関して、企画財政部は、「国内金融市場に及ぼす影響は限定的」としながらも、「変動性が拡大する可能性がある」と警告した。コロナ禍の中で元利金の返済を先送りしてきた222兆ウォンの自営業者・小商工人の負債や1800兆ウォンを超える家計負債などが、低金利時代が終わる時に韓国経済を揺るがす危険要因だ。海外資金の急激な流出を防ぐため、韓銀が金利をさらに引き上げれば、家計、自営業者の利息負担は急増することになる。

天井知らずに上昇した住宅価格、チョンセ(一定額を保証金として預け、家を借りる不動産賃貸)価格に触発された住宅ローンとチョンセ融資の増加傾向は、金融当局の強い融資抑制措置にもかかわらず、なかなか改善されずにいる。チョン・ウォルセ(月々支払う家賃)価格の高騰と生活苦で20代の家計負債が他の世代より2倍以上増えるなど、脆弱階層の借金負担も加重している。さらに来月にはさらに強力な負債削減対策が打ち出される。ノンバンクからの融資、証券会社が投資家の株式を担保として貸し出す「信用取引融資」などに対する規制が強化される見通しだ。

米国が緊縮のスピードを上げれば、世界の株式や仮想通貨、不動産など、資産価格のバブルは予想より早いテンポで弾けかねない。家計や企業共に、不要な融資や無謀な投資を警戒しながら、本格化する高金利時代に備えなければならない。