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カラフルな北アフリカのイスラム美術の誘惑

カラフルな北アフリカのイスラム美術の誘惑

Posted August. 27, 2020 08:25,   

Updated August. 27, 2020 08:25

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アラビア語とターバン、ラクダ、ヒジャーブとあごひげに複雑な幾何学的パターンまで…。梨泰院(イテウォン)でもあまり目にできなかった「マグリブ(北アフリカのイスラム文化圏)爆弾」が、ソウル鍾路区(チョンノグ)のバラカットコンテンポラリーに落ちた。馴染みのない文化イメージにも拘わらず、美術界で「あの世のヒップ(hip)」として口コミが広がった。モロッコ出身作家・ハッサン・ハジャズ(59・写真)の個展「来るべきものへの趣き」のことだ。

目立つスペースは、展示場の2階に用意された「ブティック」だ。華やかで直接的な色彩のエキゾチックな組み合わせは、恰もマグリブに旅発ったような気分を醸し出す。これに、おなじみの大衆文化を借用して拒否感をなくした。例えば、モロッコの伝統靴・バブーシュをルイヴィトンとナイキのロゴを組み合わせて作ったり、バービー人形に伝統衣装を着せた。1960年代のポップアートを借用した「モロッカンポップアート」と言える。

さらに、実際の店舗のように作品を販売する。ブティック内のTシャツ、靴、ティーボックスなどを、アーティストが地域の職人たちとコラボしてエディション商品として作った。複数点を大量生産するため、価格もそのほとんどが100万ウォン以下。最も手頃な価格のティーボックスは4万ウォンだ。価格表も備えている。ギャラリー側は、「バブーシュ、ナイキのロゴが描かれたエコバッグ、図録は準備した物量がすべて売り切れて、予約注文を受けている」と明らかにした。

通常の芸術商品は、美術館内の店で販売される。ところがハジャズは、作家が自ら「グッズ」を作って、ギャラリーで作品の一部として販売している。簡単な発想の転換でポケットが軽いコレクタの心を捕らえたのだ。ハジャズのブティックは、モロッコでも運営している。

視覚的な華やかさは、国際美術界の流れとも合致する。会場と作品から見える色の組み合わせは、マグリブの直射日光が照りつける風景を土壌にして生まれた。アフリカ文化圏で主に見られる華やかさだ。同じ理由で、アフリカ作家たちの作品が、最近美術界で脚光を浴びている。

10代頃、英国に移住した作家は、1970年代後半にストリートファッションブランドRAPを作り、ヒップホップ・レゲエなどを楽しむナイトクラブを運営して英国内のサブカルチャーを率いた。1980年後半から、自分のルーツを探して写真に込め、商品と組み合わせながら、「モロッコのアンディ・ウォーホル」というニックネームも得た。展示は9月27日まで。


金民 kimmin@donga.com