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翻訳家パケット氏、「パラサイトの挑戦がアカデミーの偏見を破ることを」

翻訳家パケット氏、「パラサイトの挑戦がアカデミーの偏見を破ることを」

Posted January. 17, 2020 08:08,   

Updated January. 17, 2020 08:08

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「映画『パラサイト 半地下の家族』の挑戦が、米国の白人中心指向が強いアカデミー賞で偏見を破る起爆剤になることを願う」

16日午前、ソウル城北区(ソンブクク)の高麗(コリョ)大学のある建物で会った映画評論家のダルシー・パケット氏(48)は、流ちょうな韓国語で話した。アカデミー賞の話題になると、声に力が入った。パケッ氏は3日前、アカデミー賞6部門でノミネートされた映画「パラサイト」の英語の翻訳を務め、話題を集めた。

パケッ氏は、韓国映画を翻訳し、韓国の情緒を味わい深く表現するという評価を受けている。「ソウル大文書偽造学科なんてないのか」というセリフで、「ソウル大」を「オックスフォード」にかえたり、「チャパグリ」を「ramdong(ramen+udong)」と表現し、話題を呼んだ。

パケッ氏は、「3ヵ月前、パラサイトがアカデミー賞の最高栄誉である作品賞にノミネートされるとは想像もしなかった」と話した。投票権を持つアカデミー会員の多くが白人なので、米国の歴史話や白人が主人公の映画が主に受賞したためだ。1929年初のアカデミー授賞式以来、作品賞の受賞作は全て英語の映画だった。

しかし、パケッ氏「昨日、あるモバイルコンテンツのプラットホームに入ったところ、映画部門で『パラサイト』が最初に出てきた。時間が経つほどパラサイトの人気が米国でも高くなると感じられる」と話した。また「最近思いがけない映画が作品賞を受けており、期待をかけている」とし、「パラサイト」の作品賞受賞の可能性を「3割」と見通した。

パケッ氏は同日、外国人学生約870人が参加した高麗大学国際冬季大学(IWC)で、「韓国映画とビジュアルカルチャー」の最後の授業を行った。1997年に高麗大英語講師として初めて韓国に来て、ホ・ジノ監督の「8月のクリスマス」を見た後、韓国映画にはまった。2009年からは毎年、高麗大で外国人学生に韓国映画を教えてきた。

パケッ氏の授業は1960年代映画「下女」から2000年代「共同警備区域JSA」など様々な時代の作品を扱う。パケット氏に講義を続けてきた理由を尋ねると、「ハンガリーに行ってみたことがなくてもハンガリー映画を見てみると、その国を理解することができる。外国人が韓国文化に簡単に接近し、最もよく知ることができるのがまさに映画だ」と答えた。

16日午後1時、最後の試験が始まる約30分から外国人学生たちは「奉俊昊(ポン・ジュノ)」や「パク・チャンウク」など映画監督の名前が書かれた資料を持って講義室に入ってきた。「共同警備区域JSA」、「殺人の追憶」など韓国映画のワンシーンと監督の演出の特徴がぎっしりと記されていた。スウェーデンから来たヤコブ・ミネル氏(28)は、「教授は、映画の中の韓国社会について深みのある説明をしてくれる。単に韓国語が上手なだけでなく、深い理解があるので翻訳が上手い」と話した。 

韓国人女性と結婚し、ソウルで暮らすパケッ氏は、当分の間、米国に滞在する予定だ。パケッ氏は、「米インディアナ大から韓国映画翻訳研究のために招待された。19日に韓国を発ち、5週間研究した後、戻る予定だ」話した。


具特敎 kootg@donga.com