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77億の人口、住む場所は異なれど食べるものはまったく一緒

77億の人口、住む場所は異なれど食べるものはまったく一緒

Posted August. 10, 2019 07:13,   

Updated August. 10, 2019 07:13

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最初の章のタイトルは、「皆が平たいパンに肉を包んで食べる」のだ。韓国なら例外ではないか?しかし、ここでの「パン」は、平たいクレープやトルティーヤも含んでいる。私たちにはそば煎餅がある。ケバブやタコスも今や韓国人に不慣れではない。「英国人が最も好む食べ物」の1位に毎回つく食べ物は何だろうか?フィッシュ・アンド・チップスではなく、カレーの一種である「チキンティッカマサラ」だ。

本を構成する19の章は、著者も、扱う話題もまちまちだ。編者は2011年、デンマーク・コペンハーゲンの赤いサーカステントにシェフ、レストラン経営者、作家など300人を招待して、食べ物の未来」について議論した。国際料理共同体「MAD」(デンマーク語で「食べ物」)はこのように始まり、この本のもとになった。

様々な話題を一つにまとめるテーマは、序文のタイトルである「あなたと私は同じものを食べる」だ。「世界料理」に関する談論は、概して地域的特異性を浮上させてきたが、著者らは、「ひとまず食べ物はすべて同じものだとしよう」から出発する。自然条件も、文化も異なる多くの地域の料理が、全く同じであるはずがない。しかし、食べ物を見てみると、文明間の交流によって一つに繋がった世界が見える。

世界のどこで最初に鶏を油で揚げたのかは誰も知らない。しかし、今日、世界の人々は揚げ鶏料理を食べる。米国人は一日に13億個以上の手羽先を食べつくす。辛い味付けチキンは韓国だけのものだ。しかし、ここにもアメリカフライドチキンと隣国の鶏料理の影響が宿っていて、今は他の国の料理に影響を与えている。

私たちは、ゴマとごま油の香りを韓国的なものと思うかもしれないが、米国人たちもゴマを「ハンバーガーのパンに混ざっている白っ気の種」としてはっきり覚えている。ゴマは、インダス川流域で初めて耕作され、中東でパンに撒く材料として愛用された。ゴマとシロップを練りこんだお菓子「ハルヴァ」は、ユダヤ人が世界に広めた。

第13章の「人間は何でも食べる」は、人間が食べる動物種の名前を列挙するだけで8ページを満たす。七面鳥やヒラメのようなわかりやすい名前とクモ、カメムシなどの名前が一緒にある。


ユ・ユンジョン記者 gustav@donga.com