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孤独の中に咲いたエルトン・ジョンの宝石のような歌

孤独の中に咲いたエルトン・ジョンの宝石のような歌

Posted May. 31, 2019 09:55,   

Updated May. 31, 2019 09:55

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「私はアルコール依存症です。コカイン中毒、怒り調節障害もあるし、ショッピング中毒もあります」

天使の羽をつけたが、悪魔の角もつけている派手な衣装の男が告白する。自分を無力にするこの世界のすべての悪からかろうじて逃げてきて、このリハビリ施設に来たと。男は自分に重くのしかかっていた派手な衣装を一つずつ脱ぎ捨てながら、孤独でみすぼらしい本物の姿を打ち明ける。

映画「ロケットマン」は、英国のポップスター・エルトン・ジョンが持つ子供の頃の寂しさと傷から始まる。ミュージカル映画らしく、映画の主人公は断然エルトン・ジョンの宝石のような歌だ。アルバムが発売された順ではなく、ストーリーラインにふさわしい音楽を使って、登場人物の感情をさらに強調したのが印象的だ。

エルトン・ジョンを演じた「キングスマン」の俳優タロン・エガートンは、ヘアラインと眉の形まで瓜二つに変身した。直接歌をこなすために、5ヶ月間ピアノとボーカルのレッスンまで受けた。しかしエガートンの演技力が最も光を放った瞬間は、華麗なショーマンシップではなく、眼鏡の向こうに、孤独に徹底的に壊れた顔をさらす時だ。

偉大なアーティストの人生を扱った作品という点で、「ボヘミアン・ラプソディ」と必然的に比較される。英国のアーティストとして、一生自分を孤独にした性的指向と派手なファッション、音楽という道を巡って家族との対立を経験したことなどはかなり似ている。しかし、フレディ・マーキュリーは伝説のように去り、エルトン・ジョンは、人生のどん底を克服して、依然美しい曲で人々を慰める。

映画「ロケットマン」は、彼の数々の名曲の中で、1972年に発表した「ロケットマン」をタイトルにした。愛する人のそばを離れて、火星に向かう宇宙飛行士の孤独と孤立感、恐怖を歌った曲だ。デクスター・フレッチャー監督は、「ロケットマン」を選んだことについて、「ロケットマンは遠い宇宙に離れる孤独な人でありながら、その寂しさを越えて、ついに地球の人々に新しい世界の幻想と希望を与える魔法のような存在だから」と表現した。映画のほとんどは、エルトン・ジョンが寂しく未知の世界に進む過程で経験する感情に注目するが、いよいよ過去の自分と和解する魔法のような瞬間は刹那に過ぎず、惜しい。6月5日に公開。15歳観覧可。


李?? baltika7@donga.com