Go to contents

ゲティスバーグの1%

Posted May. 28, 2019 08:54,   

Updated May. 28, 2019 08:54

한국어

南北戦争前半期に南軍は連勝を収めた。戦績だけを見ると優勢に見えたが、戦争自体は北軍が攻勢、南軍が守勢だった。攻勢に切り替えなければ戦争に勝つことができないということをよく分かっていた南軍司令官、ロバート・リーは大胆な作戦を構想する。南軍の主力を率いて北西のペンシルバニア州ボルティモアの方向に大きく迂回し、北部の首都ワシントンを北側から攻略するということだった。

驚いた北軍もすべての兵士を動員した。両軍が衝突した場所がゲティスバーグだった。ゲティスバーグの戦いは3日間続いた。最後の日に起こったジョージ・ピケットの攻勢は、南北戦争全体を見ても最も荘重なドラマだった。リーは南軍の3師団を動員して北軍の中心部、セメタリーリッジに向かい、平原を横切る正面攻撃を敢行する。この攻勢は、50%の兵士が死傷する惨劇で幕を下ろした。リーの試みが大胆な勝負の賭けだったのか、無謀な作戦だったのかは今でも議論になっている。

かつてゲティスバーグの現場を訪れたことがあった。南軍の出発地点から平原を見下ろした時、本当に話にもならない試みだったという気がした。天才的な将軍がなぜこのような無謀な試みをしたのだろうか。いくら優れたリーダーでも、この一度で戦争を終わらせることができるという焦りと圧迫で愚かな決定をしたのだろうか。

しかし、北軍の最後の防衛線があった地点に立ってみると、すぐに考えが変わった。南軍が成功する可能性もあった。勝利の99%の地点まで到達したのだ。薄氷の戦いにおいて1%は人間が推し量れる領域ではない。同じ現場でも位置を変えて見ればこのように考えが変わる。

韓国社会の葛藤と混乱が激しさを増す理由は、他人の立場で見ること自体を信念に反する行為と考えるためだ。しかし、ゲティスバーグのように現場を双方の位置から見てこそ正しい判断を下すことができる。愚かさを真理で固守する愚かさを棄てない限り、韓国社会に未来はない。