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ノーベル平和賞受賞のムクウェゲ氏、「日本をはじめ世界中の人々に性暴力に立ち向かう責任がある」

ノーベル平和賞受賞のムクウェゲ氏、「日本をはじめ世界中の人々に性暴力に立ち向かう責任がある」

Posted October. 08, 2018 08:12,   

Updated October. 08, 2018 08:12

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「日本をはじめ世界中の人々に、性暴力に立ち向かう責任がある」。今年のノーベル平和賞の共同受賞者に選ばれたコンゴ民主共和国(旧ザイール)の医師、デニ・ムクウェゲ氏(63)は7日、共同通信とのインタビューでこのように話した。ムクウェゲ氏は、「ノーベル賞受賞で性暴力被害女性の苦しみを世界に伝えることができた」と強調した。

産婦人科医のムクウェゲ氏は、コンゴ内戦の中で、残酷な性暴力や身体を傷つけられた女性被害者の治療に尽力し、今年のノーベル平和賞受賞者に選ばれた。

日本のメディアに対するインタビューのためでもあるが、ムクウェゲ氏が「責任」を言及し、特に日本を言及したのは、日本の戦時性暴力である慰安婦問題を念頭に置いたと見える。

日本のメディアは、ムクウェゲ氏が2016年に日本を訪問した際、慰安婦問題に大きな関心を示したことに注目している。日本の市民団体「女たちの戦争と平和資料館(WAM)」の池田恵理子名誉館長は当時、慰安婦資料館にムクウェゲ氏を案内した。

池田氏は7日付の朝日新聞に「ムクウェゲ氏は元慰安婦の女性の状況についても熱心に耳を傾けていた」とし、「国境を越えて、国家が罪を犯して、女性が黙り込んでしまう状況を何かをしなければ、という気持ちが感じられた。この人が評価されたことは大歓迎だ」と語った。

 

ムクウェゲ氏は2016年、ソウル平和賞を受賞して訪韓した際、あるインタビューで、「東京を訪れた時、慰安婦女性の証言映像を見たが、心に深く打たれた。おばあさんがコンゴで私が治療した15、16歳の少女たちと同じ話をしていた」と話した。

「コンゴの性暴力と紛争を考える会」の米川正子さん(51)は6日、東京で行われた記者会見で、「ムクウェゲ氏には現実を知ってもなぜ動いてくれないのかとの思いがある。一人ひとりが何ができるかを考えてほしい」と強調した。会は16年にムクウェゲ氏を追った映画「女を修理する男」に日本語字幕をつけ、日本各地で上映会を開き、ムクウェゲ氏の来日講演を実現させた。

ムクウェゲ氏は共同通信インタビューでは、自身が治療した性暴力の被害患者の中には1歳6ヵ月の女児もいたとし、「とても悲しかった。治療に臨んだスタッフの多くがトラウマを負った」と話し、性暴力の悲惨さと解決への努力を国際社会に呼びかけた。

ムクウェゲ氏はコンゴ紛争について、世界的に需要が高いレアメタル(希少金属)をめぐる「経済戦争」と断言し、「人々と企業が利益だけを考えている。利益追求が性暴力被害者の苦しみと直結しているということから目をそらしてはならない」と強調した。また、「兵士たちが性暴力を家族と地域コミュニティを破壊するための『戦争の兵器』として利用している」と批判し、「解決のためには政治の力が必要だ」と強調した。

ムクウェゲ氏は、性暴力被害を訴える「#MeToo(私も)」運動の拡大を言及し、「最近数年間、(以前に比べて)女性が被害を明らかにできる状況になっている。(問題解決に)希望がある」と話した。


徐永娥 sya@donga.com