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[オピニオン]韓明淑氏に離党を乞う文代表

[オピニオン]韓明淑氏に離党を乞う文代表

Posted December. 12, 2015 07:28,   

「真実と正義の最後の砦と言われている司法部が、権力に屈した惨憺たる結果です。政治法廷では有罪判決を受けたが、歴史と両親の法廷では無罪です」。8月20日、最高裁判所が9億ウォン余りの違法政治資金を受け取った容疑で起訴された韓明淑(ハン・ミョンスク)元首相に対して、有罪確定判決を下した際、最大野党新政治民主連合の文在寅(ムン・ジェイン)代表が明らかにした公式反応だ。最高裁判官13人の全員一致で有罪判決が下されたのに、弁護士出身の文代表は、まるで韓元首相が無実の判決でも受けたかのように語った。

◆韓明淑は、長官や首相の上、野党代表まで務めた人だ。そんな人が、首相在任中に不正な資金を受け取った罪で、有罪確定判決を受けた。にもかかわらず、仮にも最大野党は、ソウル市長候補に推薦し、党代表にも選出した。それなのに、選挙のたびに革新を口にしており、革新の真剣さを信じる人はあまりいない。文代表はつい先まで、「再審請求」云々しながら、普通の法常識とはかけ離れた発言を行ってきた。韓氏の事件は、再審請求の要件すら備えていないことを、文代表は誰よりよく知っているはずだ。

◆文代表は8日、韓明淑氏に対し、自ら離党するよう求めた。ところがその表現にあきれるばかりだ。「潔白は信じているが、国民の目線に合わせて政治的去就を決断していただければと思う」と伝えたという。潔白を心から信じているなら、離党すると言われても引き留めるべきではないか。「革新ショー」を試みようとしているから、歩調を合わせてほしいと乞っているような気がする。韓明淑氏は親盧系(盧武鉉氏系)の象徴ともいえる。廃族寸前だった親盧系を政治的に復活させるのに、決定的な貢献をした。そんな韓明淑氏への文代表の切なさが切実に感じられる。

◆韓明淑氏への離党要請は、安哲秀(アン・チョルス)議員の革新案を受け入れる形を取って、氏の離党を食い止めようとする狙いからだという見方もある。逆に、自分に反旗を翻した非盧・非主流を追い出すための名分作りという見方も出ている。ただ、あまりにも見え透いたショーであり、楽しさも感動もないのが残念だ。文代表は革新の真似でもしたのなら、韓明淑氏を擁護した発言を謝罪し、自ら離党ではなく除名のメスを入れるべきだった。

李進寧(イ・ジンニョン) jinnyong@donga.com