国内の研究チームが、宇宙生成初期と言われている128億年前にできた新たな「ブラックホール」を発見した。宇宙の草創期に何があったのかを分析できるということから、韓国内外の天文学界から注目を集めている。宇宙生成初期のブラックホールを発見したのは、2011年のカナダ、年明けの日本研究チームに続いて、世界で3度目だ。
韓国天文研究院・銀河進化グループのキム・ミンジン主任研究員チームとソウル大学物理天文学部のイム・ミョンシン教授チームは米国とチリの「ジェミニ天文台」に設置された直径8メートルの双子の巨大望遠鏡で、ブラックホールが原因で出現する「クエーサー(Quasar=巨大な発光体)」という天体現象を観測したと、9日明らかにした。
ブラックホールは光まで吸収するため、目には見えない。そのため、天文学者らはその周辺の宇宙の埃などがブラックホールに吸い込まれていく過程で明るい光を放つクエーサー現象に注目している。クエーサーの中央には必ずブラックホールがあるからだ。
研究チームは、新たに発見したブラックホールに、「IMS J2204+0111」という固有名称を付けた。新しいブラックホールは、宇宙生成初期に作られた「元祖」ともいえるブラックホールであり、宇宙生成の秘密を解き明かすのに役立つものとみられる。クエーサーから地球までに到達する光を分光照射すれば、宇宙生成初期にどんなことが起きたのか、推定することができるからだ。
今回の研究成果は、天文学分野の国際学術誌「天体物理学ジャーナルレター」に紹介された。
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