Go to contents

[社説]米金利の「年内引上げ」に備えるべきだ

[社説]米金利の「年内引上げ」に備えるべきだ

Posted September. 19, 2015 07:07,   

한국어

引き上げか、据え置きかを巡って、世界から注目が集まっていた米基準金利はひとまず、据え置きと決まった。米中央銀行に当たる連邦準備制度(FRB)は17日、連邦公開市場委員会(FOMC)の定例会議後、「基準金利ともいえる連邦基金金利の目標値を現在の0〜0.25%に維持することを決めた」と明らかにした。米国がグローバル金融危機真っ最中だった2008年12月に選んだ「ゼロ金利」から脱却できるかどうかが最大の関心事だったが、米国は本格的な出口戦略の稼働時期を遅らせることを決めた。昨日、国際金融市場は安堵する雰囲気だったし、韓国証券市場のコスピも1995ポイントまで上昇し、再び2000ポイントの大台に迫っている。

米金利据え置きの決定は、物価安という内部変数のほか、グローバル景気悪化が大きな影響を及ぼした。ジャネット・イエレン米FRB議長も記者会見で、「最近は海外経済予測がより一層不確実性を増しており、中国と(ブラジル、トルコなど)ほかの新興市場経済への懸念が高まったことを受け、金融市場に不安定性をもたらしている」と明らかにし、このような見方を裏付ける結果となった。米国が自国の金利政策で海外変数を大きく考慮したのは、ほとんど前例のないことであり、現在のグローバル経済の不確実性や不安定性、相互依存性の高いことを示している。

7年近く続いてきた米ゼロ金利政策や通貨量拡大で、世界に供給されてきたドルは、グローバル金融危機前の約4倍に上っている。米国では、景気好況や金融緩和の効果まで加わり、不動産を中心に「バブル」を巡る議論まで起きており、年内の金利引き上げは避けられないという見方が説得力を得ている。米金利が引き上げられれば、新興諸国に流れ込んだ膨大なドルが、米国に戻ってくることになり、グローバル金融市場の衝撃は避けられないだろう。

韓国は、米国の金利引き上げのたびに、新興経済諸国の中では株価が割合大幅に下がった経験がある。最近は経済や金融状況が割合安定しているとはいえ、米金利据え置きに安心していられる立場ではない。政府と韓国銀行は、金融会社や企業各社が外貨流動性を十分確保するよう促し、為替相場の安定的管理にも気を付けなければならない。米金利引き上げ時のわが韓国経済の最も脆弱な引き金ともいえる家計負債の管理や不健全な企業の構造調整もないがしろにはできない課題となっている。